京都産業大学キャンパスマガジン サギタリウス 2012 Dec. Vol.58号外 栄光の頂点へ!
京都産業大学創設ヒストリア Vol.4 〜最終回〜 結びにかえて、「産すび業」と成す。京都産業大学の「産業」という二文字には、「むすびわざ」という意味が込められていることを知っていますか?最終回の今回は、荒木先生がこの言葉に託した思いについてご紹介します。
1 あらゆる学術的成果に触れられる「一拠点大学」を。
専門分野であった宇宙物理学だけでなく、英語、中国語、イタリア語、ドイツ語など多くの言語に堪能で、哲学への造詣も深かった荒木先生。そんな先生が理想としていたのは、多くの知が関わり合って未到の領域を開く「ビッグサイエンス」的な学術体系でした。あらゆる学術的成果に触れられる「一拠点大学」にこだわったのもそのため。知を結びつけ、新たなわざを生み出す、という理念から、荒木先生は「産業」を「産(む)すび業(わざ)」と読み解きました。
1 あらゆる学術的成果に触れられる「一拠点大学」を。
2 雀から、鷹に、隼に、鵬に。大きな成長を育む「真の総合大学」へ。
加えて、建学当初から自由貿易化など経済の大きな変化を予測していた荒木先生は、産業界との連携はアカデミズムに反するという当時の風潮の中、あえて「産学協同」を掲げ、社会で即戦力になれる人材育成を目指し、「産業」を大学の名に冠しました。その思いを受け継ぎ、キャリア教育へと昇華させたのが、現在のPBL型授業やコーオプ教育です。企業と協同した課題解決型の学びや、産官学の連携を強化することで、社会と結びついた実践的な教育を実現。現代社会で生き抜く力を育んでいます。学生の成長を第一に考えていた荒木先生は、ある学生にこう語りました。「彼らは今は雀かもしれない。しかし、その雀はみな、やがて鷹や隼や鵬となって、籠から飛び立って行くんだよ」と。先生が思い描いた「真の総合大学」へ向け、本学はこれからも歩み続けます。
第1回卒業式。荒木先生の思いを受け継ぎ、第1期生が巣立っていく。

京都産業大学 建学の精神

 いかなる国家社会においても、大学は最高の研究・教育の機関である。大学の使命は、将来の社会を担って立つ人材の育成にある。

その教育の目標は、高い人格をもち、人倫の道をふみはずすことなく、社会的義務を立派に果たし得る人をつくることであり、しかもその職域が国内であろうと海外であろうと、その如何を問わず、全世界の人々から尊敬される日本人として、全人類の平和と幸福のために寄与する精神をもった人間を育成することである。

このような人間は、日本古来の美しい道徳的伝統を精神的基盤とし、東西両洋の豊かな文化教養を身につけ、絶えず変動する国内情勢に関して十分な知識をもち、その科学的分析によって正しい情勢判断のできる能力を備え、如何なる時局に当面しても、常に独自の見解を堅持し自己の信念を貫き得る人間である。

かかる学生の育成が、本学の建学の精神である。

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