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- キャンパスマガジン「サギタリウス」
- 2012 Oct. Vol.57


開学直後から情報化社会の到来を予測していた荒木先生は、1967年に、現在のお金にして約10億円に相当する3億円を費やし、当時の日本最先端コンピュータTOSBACー3400を導入。大卒初任給が3万円ほどの当時には破格の投資でしたが、先生は「日本の次代への贈りもの」として出費を惜しみませんでした。その2年後、本学は日本初の情報系学科「応用数学科」の新設に加え、全学生を対象にした公開講義も開講。その環境は、京都大学と並んで国際機関OECDの「日本の先駆的な情報教育環境」視察先4大学の1つに選ばれるほど、トップクラスの充実ぶりだったのです。


同じく開学直後から本学が取り組んでいたのが、世界の著名な学者を招いた講演会でした。歴史、哲学、経済、物理学など、さまざまな分野の偉大な学者を次々と招き、ときにはノーベル賞学者も来学。中でも、1967年に実現した「20世紀最大の歴史学者」の1人、アーノルド・J・トインビー博士の講演会には、本学の学生・教職員はもちろん一般からも聴衆が詰めかけ、場内・場外を合わせて3千人以上が集まる大盛況に。このように多くの人が一流の知に触れる体験を、というのが、学生時代にアインシュタイン博士に出会い、学問を深めた荒木先生の信念でした。


開学当初の取り組みを受け継ぎ、現在の京都産業大学にはコン
ピュータ約2千3百台が配備され、2011年度には先端情報学研究科先端情報学専攻を設置。さらに、近年では、2010年に総合生命科学部が主催したノーベル化学賞受賞のアダ・ヨナット氏の講演会を開催するなど、今もなお、知の交流地点として活発な学術活動を展開しています。
