【経営学部】企業広報の実務とは!?リスト株式会社 田尻 有賀里氏が語る

2024.06.26

経営学部の専門教育科目「コーポレート・コミュニケーション論」 (担当: 伊吹 勇亮 准教授) は近年の企業経営において高い注目を集めている企業や団体が主体になって行う情報発信を中心としたコミュニケーション活動について学ぶ授業です。今回はリスト株式会社広報部次長の田尻 有賀里(たじり ゆかり)氏がゲストスピーカーとして登壇し、企業広報の実務について講義をいただきました。
(学生ライター 法学部2年次 中尾 柚葉)
ゲストスピーカーの田尻 有賀里 氏
<田尻 有賀里 氏のプロフィール>

化粧品会社でのWeb兼PR担当を経て、2007年4月、グリー株式会社にて広報機能を立ち上げ、企業広報からイベント運営、社内広報まで、幅広い業務に従事。株式上場も経験する。12年6月、マガシーク株式会社経営企画室に広報責任者として入社し、広報機能を立ち上げる。15年7月にリノベる株式会社に入社し、広報業務に尽力する。18年9月よりリスト株式会社にて広報部次長を務める。PRSJ認定PRプランナー。

企業広報の実務は広報戦略の立案やプレスリリースの作成、WebサイトやSNSの運用など多岐にわたります。

  • 広報戦略の立案  経営戦略や経営方針に基づいた自社の広報目的とステークホルダーを定め、一定の期間で自社の広報目的を達成するための各ステークホルダーに向けた施策を考案します。他にも施策を実行するのに最適な広報手段の選定と予算・人員の試算、施策の実行に必要なターゲットメディアリストの作成なども行います。
  • プレスリリースの作成  プレスリリースは企業や組織が発表する公式文書のことで、メディア関係者に向けて一次情報や画像などの素材をまとめたものです。企業が自社の情報をステークホルダーに届けるために必要な手段で、たとえば新サービス・商品の展開に関するプレスリリースであれば、いつ、どのようなサービス・商品が開発されるのか、その背景や社会的ニーズ、想定するユーザー層、今後の展開など多様な要素を盛り込む必要があります。
真剣にメモを取る受講生

企業広報の実務内容について話された後、広報活動を円滑に進めるためのポイントを紹介されました。経営陣と密にコミュニケーションを取り、自社の経営戦略を理解することや、キーパーソンが誰かを考えることはもちろんですが、他にも重要なポイントがあります。企業広報のアウトプットの質は社内調整が8割といわれており、社内でのコミュニケーションも欠かすことはできません。またメディア関係者や他社の広報担当者と情報交換をするなどの人脈の開拓もポイントの1つで、さまざまな仕事の依頼があるのも「人」のおかげ、だからこそ人脈は大切にしなければならないそうです。
 

田尻氏が実際に心がけていること

続いて田尻氏が実際に心がけていることを2つ紹介されました。1つ目は世の中の動きに敏感になることです。何が流行っていてなぜそれが流行っているのかについて考え、あらゆる分野の時事ニュースを収集し、さまざまな事象に興味を持つようにすることで視野を広げることができます。2つ目は足を使って情報収集を行い、自分の目や耳で体験することです。これらのことは広報の仕事に限らず重要なことなのだそうです。
質問に回答する田尻氏
質疑応答の時間では「天職というような仕事に出会うためにはどうしたらよいのか」という学生からの質問に田尻氏は「最初に出会えればラッキーだけれども、現在就いている仕事が天職かどうかわからない時は、いま目の前に任されている仕事を120%で打ち返すことを繰り返しやってみてほしい。そうすると、自分の得意・不得意も見えてくるし、またその実績を見て新たなチャンスをくれる人も出てくる」「今やりたいことが見つけられていない人こそ先入観や好き嫌いに捉われずいろんなことにチャレンジをしてほしい」とエールを送られました。
今回の取材を通して、田尻氏の「仕事を振ってくれるのは人だから、チャンスを広げるためには人脈を広げることが大切」という言葉が印象に残っています。これは広報という仕事だけではなく他業種や大学生活でも同じことがいえると感じました。私も他学部や違う学年の人とも積極的に交流し、人脈を広げて視野を広くしていきたいです。また、頼まれ上手になれるように、苦手なことにも積極的にチャレンジしていきたいです。
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