【経済学部】本学卒業生“ベンチャー企業三代目社長”の挑戦とは?

2024.02.26

講義を行う株式会社福井製作所 代表取締役社長 福井 洋 氏
経済学部の専門教育科目「経済人特別講義」(担当教員:関田 静香 准教授)では、経済社会の見方を学ぶため、日本経済の各分野で活躍されている企業の方をお招きし、現場の「生の声」を聴くことができる講義が行われています。今回はゲスト講師として、株式会社福井製作所から本学の卒業生である代表取締役社長の福井 洋 氏 をお招きし、ベンチャー企業として日本の強みを生かしながら海外展開をされてきたプロセスなどをご自身の経験を交えながら講義をしていただきました。
(学生ライター 経営学部2年次 石井 季菜紗)

株式会社福井製作所の製造する安全弁はLNG(液化天然ガス)運搬船市場において世界シェア1位!

株式会社福井製作所は1936年に創立された、安全弁の製造を行っているメーカーです。「安全弁」は私達が普段使っている電気やガスをつくる発電所やLNG(液化天然ガス)プラントなどエネルギーを「つくる」「ためる」「はこぶ」設備の最後の砦となる安全装置です。
福井製作所の製品の8割は海外で使用されており、LNG(液化天然ガス)運搬船市場においては世界シェア1位を誇っています。製品は全て大阪府枚方市で製造しており、“Made in Japan”の高い品質とチームワークで世界へ輸出しています。
授業の前半では、この20年間で会社が求める人材と仕事の進め方が大きく変化した理由と、これからのキャリア形成などについてお話しいただきました。20年前、会社が求めた人材は会社の指示に従う従順なタイプでした。しかし、インターネットの発展やスマートフォンの登場など、さまざまな技術の発展により、今では離れた場所や国外にいる相手であってもリアルタイムでの交流や、在宅での作業が可能になりました。20年前に比べて世界のスピードが圧倒的に速くなった結果、企業が求める人材は、「言われたことをしっかりできる人」から、「自分で考え行動する人」へと変化したと語られました。

韓国で働いた経験から学んだこととは

続いて、福井氏が韓国で働いた経験から学んだ、今後の海外進出についてお話しいただきました。福井製作所の三代目である福井氏は、福井製作所に勤める前に、7年間韓国で働いていました。韓国語を喋れず、生きるために必死に働く中で、韓国の文化が持つ「はやく、はやく(パルリパルリ)」が身についたとお話にありました。韓国では長い間中国に支配されていた文化的背景から、考えるより即座に行動することが重要であり、これから世界へ進出していくためには、日本が持つ高品質な技術・チームワークと韓国が持つスピードを組み合わせることが重要であると話されました。
終盤の質疑応答の時間では事前に受け付けていたものに加え、多くの受講生から質問の手が上がりました。「自分で考えて動けるようになるにはどうすればいいのか」という受講生からの質問に対し、福井氏は「恵まれた環境を自覚し、自分を追い込むことが大切」と回答されました。また、チャレンジした結果の失敗は許されるようになってきた今の時代、どんどん挑戦することも大事だとおっしゃられました。また、これからの福井製作所の未来について、社員が自分で考え行動し、カーボンニュートラル社会の真ん中でどんどん成長できる仕事場にしていきたいとも抱負を述べられました。
質問をする学生の様子
グローバル化する世の中では、いかに海外の市場に合わせるかが注目されがちですが、「まず最初に日本の強みはなにか。そして他の国の強みと掛け合わすことで世界一のモノづくりを生み出せるのだ」と語られた福井氏の言葉がとても印象に残りました。「経済人特別講義」は実際に企業で活躍されている方のお話を聞くことが出来る貴重な機会ですので、興味のある方はぜひ受講してみてください!
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