【現代社会学部】インタラクティブ(双方向)な動画視聴体験で地域活性を目指す!
2023.12.07

現代社会学部の専門教育科目「地域社会とメディア」(担当:脇浜 紀子 教授)は、地域社会の中で、メディアがどのような役割を担っているのか、今後どのような役割を担っていくのかに焦点を当てた授業が行われています。今回は日本テレビ放送網株式会社(以下、日本テレビ)に入社後、地上デジタル放送やワンセグ放送の立ち上げに携わり、現在は株式会社LiveParkファウンダーの安藤 聖泰(あんどう きよやす)氏にゲストスピーカーとして登壇していただき、地域メディアの役割と動画配信サービスの活用法についてご講義いただきました。
(学生ライター 現代社会学部1年次 春田 茉莉)

「動画配信サービス」の、ビジネスモデルは、「CMを含む動画を無料でユーザーに配信し、CM広告主から収益を得る」「ユーザーが視聴券を購入することで動画を一定期間視聴することができるようになる課金制の導入」「ユーザーが定額を支払うことで見放題となるサブスクリプションの提供」の3つがあります。しかし、この3つのビジネスモデルは、多くの人に視聴してもらわなければ収益を上げることができません。そのため視聴者数が限られる地域メディアなどは収益をあげることは難しいビジネスモデルと言えるそうです。
インタラクティブ(双方向)な体験で地方創生を
そこで安藤氏が立ち上げた株式会社LiveParkでは、視聴者と事業者を繋げる、インタラクティブ(双方向)な「動画配信サービス」の提供を始められました。
例として挙げられたのは、ローカルテレビ局とタッグを組んで企画された、プロ野球・広島東洋カープのOB戦のライブ配信や、地域の魅力を発信する内容の番組を、出演者である2.5次元俳優と一緒に視聴するという企画です。この2つの企画の共通点は、コアなファンが多いことです。コアなファン層に向けた企画により、番組視聴者は高い共時性と今しか見られないことへの期待感を番組に抱くため高い満足度が得られます。またライブ配信内では出演者が地域の特産物などを紹介し、興味を持った視聴者は商品を購入するため地域の活性化にも繋がっていくそうです。
現在、新しい地方創生への取り組みとして、ローカルテレビ 局13社、楽天グループ株式会社と共同企業体「のぞいてニッポン運営委員会」を設立し、ローカルテレビ局と作る新しい動画サイト「のぞいて日本」にて情報を発信されています。「のぞいて日本」サイト内のローカルテレビ局の番組を視聴すると、その地に関連する旅行商品やふるさと納税の返礼品を紹介する広告が表示され、視聴者は紹介された地域への興味がさらに膨らみます。
安藤氏は「スマホなどの情報端末や周辺機器は日々進化しているので、メディアが提供できるものも変わっていく。新しい体験、ビジネスを考えることは必然である。」と講義を締めくくられました。この講義を取材して、地域メディアはその地域のコミュニティに重要な社会的役割を担っていますが、現在では、その役割に加え、地域の魅力を他の地域に向けて発信する方向にシフトしていること、動画配信サービスには視聴するだけではないインタラクティブ(双方向)な楽しみ方があることを知り、ぜひ私も体験してみたいと思いました。