【経済学部】社是は「おもしろおかしく」!
「はかる」技術でカーボンニュートラル実現に貢献する堀場製作所

2023.11.06

今回講義をしていただいた山下泰生氏

経済学部では日本経済の各分野で活躍される方をお招きし、経営者の「生の声」を聞くことができる専門教育科目「経済人特別講義」を開講しています。今回は株式会社堀場製作所からゲスト講師として、コーポレートオフィサー 管理本部長の山下 泰生 氏をお招きしました。「〜On the Road to Carbon Neutrality〜」と題し、堀場製作所によるカーボンニュートラル社会実現への取り組みについて、お話を伺いました。

※カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ実質ゼロにすること。

(学生ライター 国際関係学部4年次 竹本 逸美)


株式会社堀場製作所は、分析・計測機器の製造、販売、サービスを行っている会社です。
堀場製作所の事業セグメントとして、
・自動車(自動車の排ガス等をはかる)
・環境・プロセス(煙突からの排ガス等をはかる)
・医用(血液等をはかる)
・半導体(半導体製造のガス等をはかる )
・科学(結晶や分子構造等をはかる)
の5つの「はかる」事業と、主力製品についての説明がありました。山下氏は、これら5つの事業の技術を多用し、顧客や市場に寄り添いながら、製品を開発・提供していくという、マーケットオリエンテッド(マーケットイン)な考えを持った中長期経営計画も紹介されました。幅広い事業領域を誇る堀場製作所の「はかる」技術が、企業や国民の生活を支えていることから、山下氏は堀場製作所を「日々の生活や社会の裏側を支える縁の下の力持ち」と表現されました。海外にも事業展開し、海外売上高比率※173%、外国人従業員比率※264%と、国内外のバランスの取れたグローバルネットワークを誇る堀場製作所は、M&Aを活用し約30年間で約9倍という企業規模に持続的成長をし続ける真のグローバル企業であると山下氏は語られました。
※1海外売上高比率とは、会社の売上高のうち、海外での売上高が占める割合のこと。
※2外国人従業員比率とは、会社の従業員の中で、外国人従業員が占める割合のこと。
 
また、社是である「おもしろおかしく」についてもお話がありました。創業者の堀場 雅夫 氏が社是に込めた「仕事という、人生で最も活動的な時期にやりがいとチャレンジ精神を持つことで「おもしろおかしく」実りの多い人生にすることができる」という「おもい」。それが加点主義の人財採用・人財支援方針や、現場に即したダイバーシティ推進活動に反映されていると説明がありました。
 
次にカーボンニュートラル社会実現への取り組みが紹介されました。温暖化による気候変動や、各国のエネルギー安全保障を踏まえて、エネルギーの安定補給の重要性を説いた後、CO2を排出する化石燃料からの脱却、また、脱炭素社会実現に向けたアプローチを紹介されました。エネルギー・環境分野への積極的な投資や、各国のリーダーとの政治的ネットワーク構築に力を入れ、今後の脱炭素分野になくてはならない存在になりたいと述べられた山下氏。計測機器などの製品を通じて、エネルギー利用の効率化、再生可能エネルギーの利活用、CO2の回収・利活用を中心に「はかる」技術で貢献し続ける姿勢を示されました。また、森林を切り開いて設置される太陽光パネルなどの事例を用い、代替エネルギーの利点だけでなく懸念点にも目を向け、受講生に多角的に問題を捉える重要性を強調されました。
 
最後に山下氏は、
・情報を鵜呑みにせず、自分で判断し自分の考えを伝えること
・SNSが普及した今だからこそ、ネットと新聞も活用し客観的な視点を持つこと
・自分自身が「おもしろおかしく」いられる人生とは何かを考えること
この3点を受講生へアドバイスされました。

社是に込められた思いが、経営や事業に一貫して反映されている点が印象的でした。「おもしろおかしく」仕事に取り組むことで人生を豊かなものにするという考え方は、これから社会に出て働き始めてからも、ぜひ心に留めておきたいと思いました。
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