【経済学部】地域・産業団体同士の「つなぎ役」 —財務省近畿財務局からのゲストスピーカーに学ぶヒアリング調査の大切さ—

2023.07.07

財務省近畿財務局からお越しいただいた(左から)星野茜氏、清水理子氏、向田里恵氏

経済学部の専門教育科目「観光まちづくりフィールドワーク」(担当:功刀 祐之 助教)は、2023年度に新たに開講された科目です。今年度は京都市観光協会と財務省近畿財務局の協力のもと、京都市内をフィールドとして観光産業に携わる人々に対するヒアリング調査をすすめています。観光産業が現在抱えている課題や観光産業の地域との結びつき等について分析し、最終的には具体的な政策提言を行うことを目的としています。今回は財務省近畿財務局・京都財務事務所から星野茜氏、向田里恵氏、清水理子氏をゲストスピーカーとしてお招きし、フィールドワークに向けてヒアリング調査の意義や社会人にヒアリングする際に役立つビジネスマナーについてお話を伺いました。

(学生ライター 文化学部2年次 武田 依央梨)

財務省近畿財務局について

近畿財務局は財務省の総合出先機関として、また、金融庁からの事務委任を受け、地域に根差し、財政や国有財産、金融等に関する施策を実施します。近畿財務局には近畿地方の各府県に支所があり、京都財務事務所はその内のひとつとなります。近畿財務局には、国の予算等に関する業務や地方公共団体に資金の貸し付けを行う財政に関する業務、国有財産の管理処分に関する業務、金融機関等の検査・監督に関する業務と大きくわけて3つ業務があります。その他「経済調査に関する業務」等も行っています。 近畿財務局は、このようなさまざまな業務を通して、地方公共団体、金融機関、民間企業それぞれと綿密な連携を築き上げており、こうした「つながり」を業務上で把握した地域の課題解決のために生かせることが財務局の強みだと語られました。

経済調査とは

講義の様子
財務省は国の重要な予算編成や財政・金融政策の企画立案・執行を担っています。そして限られた予算で効果的な政策を実行していくためには、地域で「今何が起きているのか」「今後何が起ころうとしているのか」を把握する必要があります。そのために経済調査が重要です。また、地域からの意見・要望もあわせて聴取して、政策に反映させるようにしています。財務局は財務省・金融庁と地域を「つなぐ」役割を担っています。具体的には、統計調査(法人企業統計調査、法人企業景気予測調査)と管内経済情勢報告を行っています。これらの結果は、内閣府の「月例経済報告」、四半期別GDP速報、法人税収見積もり等に活用されたり、国の施策の参考にされたりしています。

なぜヒアリング調査が大切?

 深度のある経済調査を行うためには、ヒアリング調査が必要不可欠です。また、国の施策を広めたり、施策に対する意見を聞いたりする機会にもなるため、このヒアリング調査が財務省・金融庁と地域を「つなぐ」ためにも重要な役割を果たしています。近畿財務局の方々からのお話を通して、関係団体との連携の重要性、必要なヒアリング調査方法やその大切さについて学びました。

ヒアリング調査を充実したものにするために

授業後半のヒアリング調査を行うために必要となるビジネスマナー実践練習の様子
電話対応練習の様子
ビジネスメールの作成をする受講生

本講義では、フィールドワークとして、京都市観光協会や近畿財務局と観光事業者へのヒアリング調査を行う予定です。ヒアリング調査を充実したものにするには、まずは相手企業の事業目的や業務内容といった概要、その企業が属する業界や取り巻く環境に関連した時事ニュース等で事前に分かることをしっかりと調べて準備する必要があります。その上で、より踏み込んだ深い話が出来るようにならなければなりません。 その際に必要となるビジネスメールの書き方やヒアリングメモの取り方などについて説明がありました。最後には電話やメールでのアポ取りの実践練習などの時間も設けられました。
 


今回の講義を通して、私たちの生活に深く関わる産業の発展のために多くの調査が行われていること、そこには想像以上にたくさんの人や関係団体等が関わっていることを知りました。この授業をきっかけに「観光まちづくりフィールドワーク」の受講学生たちには大学や地域と観光事業者との「つなぎ役」を担ってもらい、地域の観光産業活性化の糸口を見つけられることを期待しています。

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