【経済学部】印刷×デジタル 紙の需要は今後どうなる?

2022.11.15

ゲストスピーカーとして登壇された水野氏

今後の紙媒体への印刷需要について、皆さんはどのように考えていますか。
さまざまなデジタル機器やスマートフォンの普及によって、紙の需要が減少している現状において、デジタルサービスやユニバーサルデザインに注力して、新たな付加価値を生み出している印刷会社があります。
経済学部の専門教育科目「経済人特別講義」(担当:関田 静香 准教授)では、大平印刷株式会社 代表取締役社長 水野 整 氏をゲストスピーカーとしてお迎えし、「お客様の付加価値づくりを支援する企業を目指して」と題した講義が行われました。

(学生ライター法学部  3年次 八木一真)

真剣に講義を聞く学生

—大平印刷の事業領域と事業環境の変化についてー

大平印刷では、主にお酒のラベルやパッケージデザインといった容器包装・梱包資材、商品のパンフレットやPOP作成などの販売促進が、売上高の多くを占めています。その他にもSNS広告など広報支援や教育教材の印刷など教育支援も事業領域です。
しかし、「デジタル化」や「印刷通販の台頭」、「原材料の高騰」などの要因によって既存の印刷業界は転換期を迎えています。日本人の約8割がモバイル端末を所持し、紙の需要も10年間で2/3にまで減少した現代において、事業環境が大きく変化しました。
では、紙媒体への印刷需要はインターネット広告や販促などデジタル媒体に取って代わられてしまうのでしょうか。

—大平印刷の取り組みと大切にしていることー

大平印刷では、事業環境の変化を受け、デジタルと印刷のハイブリッド営業を促進していくことを打ち出しました。例えば、デジタル分野への注力や特殊な糊を使用した友禅印刷、ユニバーサルデザインの活用です。
新たなチャレンジを行っていくうえで、水野社長が大切にしていることは、 ①解析力、②仮説思考の実践 、③エンドユーザーのニーズ把握、④傾聴力、⑤目標の暗記だそうです。しかし、知識不足や失敗への恐怖心から実行できないことも多々あります。そうした中でも、「重要なことは、変化の兆しから逃げずに挑み続けることが重要だ」と語られました。大きな転換期を迎えている業界だからこそ、その変化から逃げずに、柔軟に挑戦していくことが大切なのだとお話を聞いて感じました。

今回の講義では企業の経営トップがどのように会社を動かしているのか、社会をどのような視点で見ているのか、企業活動の根幹部分に関わる貴重なお話を聞くことができました。
学生から今後の紙需要について質問をされた際には、紙ならではの特性を活かしていくことが大切だと語られました。時代や技術が進歩しても、その分野にしかない強みを活用して生き残るために模索する方法や重要性を、講義から学びました。
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