【文化学部】小学校をホテルに!?歴史と現代の融合した空間での学び

2022.07.08

前列右から5番目 広瀬康則総支配人、4番目 清野了平セールス&マーケティング部ディレクター(撮影時のみマスクをはずしています)

文化学部では伝統ある京都の街に足を運び、京都文化・日本文化を五感全体で体験するフィールドワークを活発に行っており、その一つに、「観光文化基礎演習A」(担当:中野 宏幸教授)があります。この演習では、ゼミ活動に企業・行政や有識者とのワークショップを組み込むことによって、実務とも接しながら観光文化に関する「学び」を深めています。今回は清水小学校をリノベートして開業した「ザ・ホテル青龍 京都清水」を訪問し、ホテルの業務や経営戦略を学びました。

(学生ライター 法学部3年次 八木 一真)


「ザ・ホテル青龍 京都清水」は、2011年3月まで清水小学校として地元で親しまれてきた学校の校舎を活用し、2020年に開業しました。清水小学校の前身は1869年(明治2年)に、地元住民によって創設された学区制の番組小学校のうちの一つです。1933年(昭和8年)、現在の地に移築建築された近代的な鉄筋コンクリート造りの建物は、当時の内装を残しつつ、地元の方々の思い出がたくさんつまった空間として、地域の歴史や文化を伝えています。
当時の小学校の手摺り
広瀬総支配人の説明を受ける学生
ホテルのコンセプトは、「記憶を刻み、未来へつなぐ」です。「ヘリテージ(受け継がれる遺産・伝統)」というホテルの特徴を明確にし、「通いたくなる」「懐かしくなる」という小学校だった利点を生かすことで、「ザ・ホテル青龍 京都清水」のブランドを確立しています。広瀬総支配人からは「ホテルを巡る歴史と地域との歩み」について、また清野ディレクターからは、「ホテルの経営戦略論」とあわせ、デザイン性の高いライフスタイル型のホテルとして顧客ターゲットを明確にしつつ発信する「ブランド価値の考え方」について説明をいただきました。清水の地にあって、地域のコミュニティの場としての役割を果たしてきた建物は、この校舎でかつて学んだ地元の人々の同窓会にも利用されています。
清野ディレクターから経営戦略の講義を受ける学生
京都の街並みを一望できる最上階のバー

歴史ある建造物と現代の様式が融合させたホテルは、宿泊する方々へ、懐かしさと新鮮味のある、ゆったりとした時間を提供しているのだと感じました。京都という伝統や歴史のある町で、それらを後世に伝える「保存と活用」。建物だけではなく、考え方やノウハウを学び実感する非常に充実したフィールドワークになったのではないでしょうか。
元校舎を活用したホテルの外観
正面
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