2021年度 現代社会学部 ゼミ報告会開催

2022.03.28

京都産業大学現代社会学部には2〜4年次生がそれぞれ同じテーマ、目標に向かって取り組むゼミナール(以下ゼミ)が34ゼミあり、研究テーマは「地域活性化」や「学校教育」などの政策的なものから「広告」や「メディア」などの情報産業に関するもの、「栄養・食生活」「スポーツ」といった健康スポーツに関するものなど、その種類はさまざまです。
今年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、オンライン配信を活用したゼミ報告会が2日間にわたって開催され、プロジェクト演習を含む19ゼミから53チームのエントリーがありました。各ゼミは社会学の視点から見た現代社会の課題をテーマに選び、これまでの活動の成果を発表しました。なお、発表時間やグループ分け、当日の進行などの運営は、現代社会学部のゼミ報告会実行委員(1年次生から3年次生の学生で構成)が行いました。
(学生ライター 経済学部4年次 小林 礼夏)
(学生ライター 文化学部2年次 松田 こころ)

実行委員が対応する様子
耳野学部長の挨拶で報告会が開始
はじめに、高木実行委員長(3年次生)からゼミ報告会の説明と耳野学部長から挨拶があり、その後オンライン上で2つの部屋に分かれて報告が行われました。発表の持ち時間は1チームあたり10分で、発表後は教員と学生からのフィードバックがありました。

今回はその中から、金光 淳ゼミと藤野 敦子ゼミの2チームをピックアップしてご紹介します!

金光ゼミ「リモート時代のSNS型誹謗中傷」

ネットいじめは閉ざされた空間で起こるものであり、SNS型誹謗中傷は開かれた空間で起こるものであると述べた上で、現代はSNS利用者の発言が無責任化していることに言及しました。近年に起きたSNS上での事件を取り上げ、誹謗中傷の面からだけではなく事件が起こった要因や背景を深掘りして発表を行いました。発表の最後には「全ての人が誹謗中傷について他人事と考えずに自分事としてオンライン社会に向き合うべきである」「過度な規制ではなく、オンラインコミュニティの成熟を促す活動が必要である」と、オンラインの活用が進む社会における私たちの在り方について意見を述べました。

藤野 敦子ゼミ「親ガチャ」意識がなくなる社会の実現に向けて

先生からの講評の様子
SNS上で流行した「親ガチャ」(どんな親の元に生まれるかで子の人生が決まってしまうことをガチャガチャになぞらえて作られた言葉)に着目し、親によって子供の人生が決まることを回避するにはどうすればいいかという疑問から始まった研究でした。親の子に対する教育希望の要因を分析した結果、居住地域が深く関係しており、都市部に住んでいることが親の教育希望に大きく影響を与えていることを明らかにしました。今後「親ガチャ」意識がなくなる社会の実現に向けて、義務教育の段階で子供自身が将来のキャリアを内面化できる機会を創出すること、地域の高校、教育機関、企業などがキャリア教育に対してオープンな交流の場を設置することの重要性を主張しました。

報告会の運営においては、オンラインを活用した発表だったため、コミュニケーションが少し取りづらい環境でしたが、実行委員の皆さんがトラブルに臨機応変に対応する姿が印象的でした。各チームの発表を聞いて、身近な問題を深く掘り下げると、多くの視点からものごとを見ることができるのだと気付きました。(松田)

経済学部所属の私にも身近で興味深いテーマが多く自身の研究につながる題材もあったことから、学部問わず参加してほしい報告会であると感じました。学生の皆さん、ワンキャンパスの総合大学という強みを生かし他学部の発表会や講義を受講してみてはいかがでしょうか。(小林)
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