経済人特別講義「大平印刷代表取締役社長の水野氏に聞く、印刷会社の生き残り法」

2021.11.04

大平印刷株式会社 代表取締役社長 水野 整氏
経済学部の専門教育科目「経済人特別講義」は、経済学部の専門科目を通じて学んださまざまな経済問題について、実際の企業トップはどのように捉え、考え、企業を動かしているのかを体感することを目的に開講されている科目です。毎回、日本経済の各分野において第一線で活躍されている方を講師に招いており、経営者の「生の声」を聞くことができます。
今回はゲスト講師として、大平印刷株式会社代表取締役社長 水野 整氏が登壇し、世の中のデジタル化に加え、新型コロナウィルスの感染拡大という事業環境の大きな変化の中で模索されている経営者の「生の声」を伺いました。

(学生ライター 現代社会学部 2年次 柿内 富良加)


大平印刷株式会社は、宝酒造株式会社などを傘下にもつ宝ホールディングス株式会社のグループ企業で、京都(京都市伏見区)と東京を拠点に、パッケージ印刷やWeb制作、SNS広告などの事業を手掛けています。
水野氏は、宝酒造に工場技術職として入社後、食品事業部門や経営企画室でさまざまな経験を積まれた後、大平印刷の取締役副社長に就任され、2019年に代表取締役社長に就任されました。

今回の講義では、環境の変化が激しい中での事業展開と必要な力について話されました。

近年の印刷業界は、世の中のデジタル化の進展により大きな転換期を迎えています。情報通信機器(スマートフォン、パソコン)の保有率が高くなるにつれて、紙の需要や印刷市場が減少していく中、ネット印刷とも呼ばれるインターネットから注文とデータを受け取って印刷する印刷通販市場が増加しています。このような印刷通販会社では、打合せやデザイン制作の必要がないため、印刷会社より低コストで印刷ができるという特徴があります。
このような状況で生き残るために、大平印刷ではこれまでから限定的に取り組んでいたデジタルサービスを更に拡大し、力を入れることにしたそうです。
しかし、デジタルサービスの強化を含めた新しい事業展開に舵を切ろうとした矢先、新型コロナウィルス感染症の拡大が襲いました。思い通りにいかない中、大平印刷はデジタル化を一層加速していくことにしました。その一方で、水野氏は「デジタルと印刷にはそれぞれに異なる役割があり、両方に対応できるのが我々の強みである」と認識し、デジタルと印刷のハイブリッド営業を推進していくことにしたそうです。

最後に水野氏は、受講生に対して「急速に変化する世の中から逃げずに挑んで下さい。」と力強いメッセージを送られました。

取材を通して印象に残ったのは「学生時代に勉強されたことで、今に生きていることは何か」という受講生からの質問に対する水野氏の回答でした。
水野氏は「適応力」と回答し、いろいろなことに対してどれだけ適応力があるかを大事にされているそうです。また「大学生のうちにどんどん新しいことに挑戦して欲しい」とも語られました。そして、ふりだしに戻ったとしてもまた頑張るという力をどれだけ持つことができるかが大事であると説明され、コロナ禍でふりだしに戻されることが多い中でも、前を向き続けられている水野氏の言葉が私の胸にささりました。
あらためて私も新型コロナウィルスの影響に負けずに、残りの大学生活を送ろうと思いました。
講義をされる水野氏
講義の様子
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