現代社会学部の講義にて、吉川美代子客員教授が今年度2度目の講義を開催

2021.02.05

受講生とコミュニケーションを取りながら講義する吉川 美代子客員教授
2021年1月19日、現代社会学部の専門教育科目「現代社会の諸問題B」にて、元TBSキャスターの吉川 美代子客員教授が登壇されました。この日は今年度の最終授業日であり、12月の講義(2020年12月15日 現代社会の諸問題B)でお話された“コミュニケーション”を深堀りした“より良いコミュニケーションを取るために必要なこと”をテーマに講義が行われました。

より良いコミュニケーションを取るためには「感情や心の振り幅を大きくする必要がある」という話題から講義がスタートしました。言葉は、感情の強弱である“エネルギー”を乗せて話すことで、相手により伝わりやすくなります。言い換えると、豊かな感情の持ち主の言葉には力があるのです。そのため、感情や心の振り幅を大きくすることで、エネルギーが大きくなることにつながり、その結果として、より良いコミュニケーションが実現できるのだそうです。

このことについて、アナウンサーの仕事の一つである「スポーツ実況」を例に説明されました。スポーツ実況では、ルールの理解はもちろん、選手や監督の名前、そしてボールの行方など試合の動きを見たまま文章に起こして、即座に声に出さなければなりません。吉川教授も研修時に体験したものの、とても難しかったそうです。スポーツ観るとき、アナウンサーの実況で、そのスポーツをより楽しめたり、感動したりすることがあります。スポーツ実況が得意なアナウンサーは、選手やスポーツへの“尊敬の念”、言い換えれば“愛情”を持っているから、心からの言葉が出て、伝える声にエネルギーが乗る結果、テレビやラジオの前にいる相手に伝えることができるのだと話されました。

それでは、豊かな感情の持ち主になるためには何が必要なのでしょうか。吉川教授は「本(特に小説)を読むこと」「良い芸術に触れること」の2点が必要だと紹介されました。本を読むと、出てくる人物に感情を重ねる等、様々な感情を知ることができるため、感情の幅が広がります。また、芸術に触れることで、心が動くきっかけになるかもしれません。本や芸術を楽しむことは、一見、難しいと思われがちですが、わからなくても、有名でなくても、本や芸術を見る機会や触れる機会を増やすだけで良いそうです。そして、見終わった後に1行~2行でもよいので総括してほしいと話します。自分は何を感じたのか、印象に残ったところ、苦手だと思ったところを何でもよいのでまとめる…この過程を何度か繰り返すことで、自分は何が好きなのか、苦手なのかを知ることができ、自分の気持ちや考えを素直に伝えることができるようになるのです。

感情や心の振れ幅が大きくなると、自分が話す言葉に実態が伴い、言葉にエネルギーが乗るようになる…すると、相手に伝わりやすくなり良いコミュニケーションができるようになるのです。12月に話をされた“相手への思いやり”、そして自ら感情や心の振れ幅を大きくすることを身に付ける、この2つを意識することでコミュニケーションはより良くなります。就職活動や今後の人生で上手く活用してほしいと話し、講義を締めくくられました。

今回は12月の講義に引き続き、吉川 美代子客員教授の講義をレポートしました。講義では、時事問題やご自身の経験を交えながらわかりやすく伝えられていた印象を受けました。話がわかりやすかったのは、学生とのコミュニケーションを意識した“相手への思いやり”と“本や芸術に触れてこられた実態・エネルギー”が言葉に伴っているからであると思います。受講生には、本や映画、絵画をはじめとする様々な芸術に触れることも、大学生活を過ごすうえで重要な時間として考えてほしいです。

(学生ライター 経営学部4年次 千石 里絵)
新型コロナウイルス対策としてオンラインを併用して講義を開催
身振り手振りを交えてお話される姿が印象的
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