AIを使って国際政策立案!「AIの新しいチカラ」

2019.12.25

みなさんは普段AIを使っていますか?スマートフォンの音声アシスタント機能(SiriやGoogleアシスタント)、エアコンの人感センサー、お掃除ロボットなど身の回りのいろんなものにAIは備わっています。そんなAIが国際関係の分野でどんなチカラを発揮できるのか、11月14日開催された国際関係学部主催「ニュース解説ワークショップ」で学んできました。

AIは記録された情報を分析することが得意です。分かりやすい応用の例は医療。医療の論文やカルテ、薬のテキストデータを入力し、その結果どういう診断が導き出されるかを支援するシステムです。今回のワークショップの講師である山本准教授によると、これを国際関係の分野に応用することができるそう。例えば、文書の中に出てくる単語の出現頻度によって、その文書がどの分野に当てはまるかを特徴づけます。その技術を使うと、文書に“中国、日本、国境、中国、尖閣・・・”と単語が出てきた場合、それぞれの出現頻度の割合を計算して、その文書が“日中関係”の分野であると分類できるのです。将来的には、条約や外交文書、演説や議事録、あるいは歴史書物の情報を入力しておき、ある政策課題を入力すると、情報を分類、判断して“政策オプション”を提案することが可能になるそう。政策オプションは、言い換えると、コンピュータープログラムが、記録された情報の中から、問題の解決策を考えだしてくれるということ。人間が考えつかなかった政策が導き出されることが期待されています。

山本准教授によると、こうしたAIは確率モデルで作られるのが主流だそうで、現段階でもある程度活用することは可能ですが、人間の介入がどうしても必要となってしまうそう。そのため、現在のAI研究の関心の中心は、この精度を上げることにあるそうです。しかし山本准教授は、この主流派の研究動向には限界がやがて訪れると考えており、全く異なるアプローチを開発しているそうです。


国際事情は様々な課題が複雑に絡み合っていると聞いていたので、AIの技術を使って、世界が国益を優先させず、いち早く問題解決に向かえる政策を立てるサポートをして欲しいなと思いました。国際関係学部ニュース解説ワークショップでは、講師の先生方の、最先端の研究や情報を私たち学生も得ることができるので、自分の気になるテーマを学んで卒論や研究、ゼミ選びにも役立てられそうです。

(学生ライター 国際関係学部1年次 渡辺 美琴)


山本准教授によるニュース解説ワークショップ
真剣に話を聞く学生ら
参加者に語りかける山本准教授
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