【国際関係学部】「豆(種)菓子をオランダ市場に展開する可能性」をテーマに提案プレゼン!(植原ゼミ)

2024.12.03

11月13日(水)、「研究演習Ⅱ」(担当:植原 行洋教授)において、ゼミ生とオランダ留学生は京都市中京区にあるSHUKA「種菓」を訪問し、「豆(種)菓子をオランダ市場に展開する可能性」をテーマに提案プレゼンテーションおよび議論を行いました。

(国際関係学部3年 樋上 智大)

種菓は100年以上の歴史を持つ甘納豆などを製造する老舗和菓子屋である「有限会社斗六屋」が立ち上げた新ブランドです。「種(たね)への感謝」というコンセプトを掲げ、米や小麦といった種が人間にとって命の源であり、食生活を支える大切な存在であることを再認識することから始まりました。この理念に基づき、品質にこだわった豆(種)菓子の製造・販売を行っています。

訪問の初めに、4代目社長である近藤氏から「伝統的な技術を守りつつも、時代に沿った変化を加える」というお考えをお聞きしました。国内で豆菓子の人気が落ちているのは「豆菓子は昔のもの」「甘すぎる」というイメージがあるからだというお考えのもと、従来の豆菓子の枠を超えた新しいコンセプトの商品の販売や、商品理念に応じた店舗デザインを行われており、新たなことに挑戦される姿勢に感銘を受けました。豆菓子店が次々に閉店している中、近藤氏の取り組みによって伝統的な「斗六屋」から新しいジャンルの「種菓」へ発展し、そして日本のみならず海外の方々へ日本の伝統である「豆菓子」が広がっていくのだと感じました。
日本の伝統を守るということは、単に変化を加えないことではなく、時代に合わせて新しい視点や技術を取り入れ進化させ、より多くの人々に愛される形で伝え続けることであることだと実感しました。

学生発表では「種菓の製品をオランダに売り込むには」というテーマのもと、オランダ留学生を含む3つのグループに分かれてプレゼンテーションを英語で行いました。オランダ市場には全く新しいジャンルとしての参入となるため、各グループでのディスカッションではオランダ留学生や日本人学生から多種多様な意見が飛び出し、共通見解を作り上げる苦悩があったものの、さまざまな視点からの提案書を作り上げました。近藤氏からは、「レストランへ種菓の製品を売り込みレストランの新メニューを開発する」「種菓のシロップでラテを作り大学のカフェテリアで販売する」という提案には特に関心を持っていただきました。また、「戦略だけでなく、利益やコストも考慮されている点が素晴らしい」「これらの提案を今後の参考にしたい」というご講評をいただきました。プレゼンテーションの途中で何度も鋭い質問をしてくださる場面もあり、学生からの提案にもかかわらず詳しく深く提案を理解してくださる姿勢に私たち学生も背筋が伸び、真剣に取り組めました。

今回の訪問で特に印象に残っているのは、「種菓はタイムレスなお菓子であり、ただ食べるだけでなく、種や豆を楽しむ時間そのものを提供したい」という近藤氏のお言葉です。同店舗もそのようなカフェタイムを過ごせるスペースがあり、ブランドコンセプトに浸ることができます。
このお言葉から、ブランドの力が単なる商品提供を越え、消費者との深い繋がりを生み出すことに気が付きました。単なるマーケティングの枠を超え、ブランド理念を具現化するためには、商品やサービスだけでなく、顧客との関係性やその体験が大切だということを学びました。

最後になりますが、お忙しい中訪問を受け入れていただいた種菓の皆さまに、この場をお借りして深く御礼申し上げます。

<SHUKA種菓のWebサイト>
https://shuka-kyoto.jp/

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