【国際関係学部】未来の森林はどうなる?ドイツの森林管理から学ぶ持続可能な方法とは?
2024.11.26
学部の授業以外にも活躍の場を求めて積極的に取り組む学生を紹介する本企画。
今回は、「持続可能な森林管理」をテーマにドイツを訪問し研究を続けている、国際関係学部4年次の井村 安里さんにお話を聞きました。「国際関係」に興味を持ったきっかけを教えてください
私が国際関係に興味を持ったきっかけは、高校時代に国際問題のひとつである水問題について学ぶ必修授業を受けたことです。それから環境問題に関心を寄せ始め、政治・社会・経済など環境配慮に必要な要素を包括的に学べる国際関係学に魅力を感じました。しかし、高校まで英語をコミュニケーションツールにするような経験はしたことがなく、修学旅行で行ったシンガポールでは英語を話した記憶が一切ないほどです。そんなスキルも海外経験もない私でしたが、だからこそ大学では外に出ていろいろな人や文化や価値観に出会いたいという思いがありました。その好奇心と環境問題への関心が私を国際関係学部に引き寄せてくれました。
今、注力している取り組みは何ですか?
現在は、「持続可能な森林管理」に関する研究に注力しています。そしてこの10月、一枝会様のご支援で海外渡航調査「行ってみ!チャレンジ」に参加させていただき、持続可能な森林管理発祥の地ドイツにて現地調査を行いました。環境NGOの方や森林環境コンサルタントの方、フライブルク大学環境・天然資源学部の学生、市民の方々にインタビュー調査などを行い、「なぜドイツの森林管理は持続可能性が高いのか?」という問いと向き合いました。
フライブルク、ミュンヘン、シュトゥットガルトの3都市を回り、ドイツ人の環境意識や森林ガバナンス等に関する調査を行いました。その結果、上記の問いの答えは、①人と森が近いため、②市民を含めたステークホルダー連携を地域の特性に合わせて行っているため、③経済的側面に偏重することの長期的なリスクを理解し、フォレスターが正しく導いているため、であるとまとめました。
フライブルク、ミュンヘン、シュトゥットガルトの3都市を回り、ドイツ人の環境意識や森林ガバナンス等に関する調査を行いました。その結果、上記の問いの答えは、①人と森が近いため、②市民を含めたステークホルダー連携を地域の特性に合わせて行っているため、③経済的側面に偏重することの長期的なリスクを理解し、フォレスターが正しく導いているため、であるとまとめました。
その取り組みに参加(応募)したきっかけ・動機を教えてください
「行ってみ!チャレンジ」への参加を決めた理由は、主に二つあります。一つは、森林問題の解決に向けてドイツの持続可能な森林管理から示唆を得るためです。私はこれまでインドネシアの森林減少問題や、京都市の林業政策について研究するなど、森林問題に関心を寄せていたため、さらなる知見を求めて渡航したいと思いました。二つ目は、英語力やこれまでの研究がどこまで通用するのか、自分の力を試したかったためです。
このプログラムへの参加は私にとって、一人で海外渡航・インタビューをする初めての挑戦でした。人脈も経験もない中で一から計画を立てることは苦労しましたが、実りある渡航になりました。
このプログラムへの参加は私にとって、一人で海外渡航・インタビューをする初めての挑戦でした。人脈も経験もない中で一から計画を立てることは苦労しましたが、実りある渡航になりました。
参加して、ご自身にとってプラス(成長)につながったこと、気付きは?
この渡航を通じて気付いたことは、自分の目的意識をはっきりと人に伝えることの重要性です。「なぜそれを知りたいのか」「自分がどこまで理解していて何がわからないのか」これらを自分の言葉で説明できると、周囲の人は手を貸してくれます。インタビュー先のご厚意でさまざまなNGOや研究者の方々を紹介していただいた経験から学びました。
また、好奇心を持ち続けることの大切さも学びました。渡航前も渡航中もわからないことばかりで不安でしたが、その度に新しいことを知りたいという気持ちが背中を押してくれました。この思いのおかげで、自分には難しいと思っていた3週間の計画を楽しく終えることができました。
国際問題を考えるうえで、普段から心掛けていることはなんですか?
他の人の意見や研究をよく聞き、吸収することです。それは、多様な専門分野の教授から多くを学ぶことはもちろん、周りの学生からも学ぶということです。なぜこれを心掛ける必要があるかというと、国際問題は必ず多様なアクター間で発生しており、一人の意見で解決できるものではないからです。自分自身がいろいろな答えを持ち、さまざまな立場や異国の地で暮らす人々の思考にまで考えを巡らせることができるように、まずは身近な反対意見や違いから受け入れたいと思っています。
特にゼミ活動では多様なアイデアや意見も自分の中に落とし込むようにしています。20分間プレゼンと毎度白熱する質問タイムが特徴(?)の井口ゼミに所属していますが、ゼミ生一人一人の研究は非常に面白く、研究の視点や質問の鋭さなど毎回学ぶことばかりで、ゼミ活動が大好きです(笑)このように、少し耳を傾ければ面白い話が聞ける国際関係学部にいるからこそ、自分と違う考えもよく聞き、刺激を受けることは国際問題を考える一人間として大切なことだと思います。
特にゼミ活動では多様なアイデアや意見も自分の中に落とし込むようにしています。20分間プレゼンと毎度白熱する質問タイムが特徴(?)の井口ゼミに所属していますが、ゼミ生一人一人の研究は非常に面白く、研究の視点や質問の鋭さなど毎回学ぶことばかりで、ゼミ活動が大好きです(笑)このように、少し耳を傾ければ面白い話が聞ける国際関係学部にいるからこそ、自分と違う考えもよく聞き、刺激を受けることは国際問題を考える一人間として大切なことだと思います。
今の活動を通して、今後の抱負、また将来につながること・つなげたいことは?
今回の渡航で学んだ「好奇心を持ち続けることの大切さ」は、今後社会人になるうえで活かしたいです。知りたい、できるようになりたいという思いは、自分のモチベーションになりますし、周りを巻き込んで物事に取り組む際にも重要なものだと思います。
「やらされている」ではなく「やりたくてやっている」という感覚は学業でも仕事でもそうあまり多くないのかもしれません。しかし、興味のある方へと挑戦する機会を逃さなければ、この気持ちが芽生えてさらに大きくなっていくような気がします。今回の旅はこれに当てはまる旅でしたし、私の社会人生活もそうできるよう努力します。
国際関係を学ぶ学生(興味を持っている高校生)の皆さんへ一言
京都産業大学の国際関係学部は、動けば与えてくれる教授の方々、羨ましいと思うほど語学力や知識に溢れている学生に囲まれて、成長できる環境があります。今は何かやりたいことが明確ではないかもしれません。私も入学する時はふわっとしていました。それでも周囲から刺激を受けて、海外にも飛び出て(それも一度ではなく今回が大学生活三度目の渡航です)、世界が広がり、自分の行動の幅も変わりました。できないと思っていたことができると自信がつきますし、やりたいことが見つかったり、思いが強くなったりすると思います。少しでも気になるなら手を挙げてみてください!受験してみてください!