【国際関係学部】「国際キャリア開発リサーチ(CDR)-C」をマレーシア・クアラルンプール近郊で実施しました

2024.10.09

ナベル本社での研修
8月18日から9月2日までの16日間、「国際キャリア開発リサーチ(CDR)-C」(担当:植原 行洋 教授)をマレーシア・クアラルンプール近郊で実施し、株式会社ナベルのマレーシア現地法人ナベルアジアで就業体験を行いました。
CDRは、海外で国際的な活動を行う民間企業やNPO法人・公的機関と連携し、就業体験などを通じてプロジェクト研究や課題解決型研究に取り組む科目です。
(国際関係学部 3年次 石川 生、藤井 遼)
ナベルアジアでの就業体験の事前学習として、マレーシアの概要や渡航時のリスク管理、ビジネスマナーなどの授業を複数受けた後、7月17日に株式会社ナベル(本社京都市)を訪問しました。同社は全自動鶏卵選別包装システムを日本で初めて開発したメーカーで、世界で高い市場シェアを有する「経済産業省認定グローバルニッチトップ企業100選」にも選ばれたグローバル企業です。
同社での研修では、製品の特徴などについて工場内を視察して学び、日本と海外の売上動向や海外企業を相手にした営業のポイント等の海外販売の戦略について学びました。また、マレーシア研修終了後の課題として、【ナベルと競合他社のSWOT分析から東南アジア市場における今後の販売戦略の立案】という課題もいただきました。
ナベル本社での研修
7月31日にマレーシア投資開発庁(MIDA)大阪を訪問し、マレーシアに進出している日系企業の動向や様々なビジネスチャンスがマレーシアに存在すること等を、グラム所長を始めとするMIDAの方々から聞くことができました。マレーシア渡航前の学びとして非常に有意義な学習機会でした。
MIDA大阪訪問
ナベルアジアでの研修1週目では、マレーシアでどのようなナベル製品に需要があり、それをどのようにして販売していくかを教えて頂きました。営業に同行して現場のセールスマーケティングを体験しました。実際に納品された同社製品が工場で稼働しているところも見学しました。その工場ではナベルがマレーシアで製造している製品が稼働しており、国によって異なる仕様や需要に合わせて製造しているナベルの強みをこの目で確認することができました。さらに、多民族社会であるマレーシアでは華人系のオーナーも多く、普段、英語でコミュニケーションを取っていた営業部の方が、華人系のオーナーとは中国語で説明を行ったことを目撃し、多民族社会であるマレーシアならではの光景を目の当たりにしました。
ナベルアジアからアジア各国に納品されている機械
営業同行時の契約成立後の様子

1週目の休日は、バトゥ洞窟、チャイナタウン、セントラルマーケットなどのクアラルンプール周辺や世界遺産であるマラッカを訪れました。これらの訪問を通じて、多くの中国資本の進出や、ポルトガルやオランダ、イギリスからの支配を受けていた歴史的背景を実感することができました。

バトゥ洞窟
クアラルンプールの有名スポット:ペトロナスツインタワー
マラッカ
研修2週目では、機械の納入同行/サプライヤー工場訪問/機械の部品組立/日本語マニュアルの英語翻訳/JETROクアラルンプール事務所訪問/クアラルンプールフィールドワークなどを行いました。機械の部品組立を通じて、製作過程の一環に携わり、ものづくりの楽しさを覚えました。また日本語マニュアルの英語翻訳を通じて、「本当の仕事」とは翻訳を機械的にするのではなく、社員の方々と議論しながら社員の方々全員に確実に伝わるように単語を選び、翻訳をすることであることを学びました。
JETROクアラルンプール事務所訪問では、マレーシアにおける日本ビジネスのローカライズ戦略や、マレーシアにおけるハラルビジネスを学びました。さらに、クアラルンプールの商業施設を調査するフィールドワークを通じて、マレーシアにおける日本食ビジネス体験や、なんちゃって日本風お菓子や食品の販売戦略などを間近で観察しました。もし海外に行く機会があれば、ぜひマレーシアの「日本風Sushi」を経験してみてください。良くも悪くも衝撃的な体験ができるはずです。
ナベルアジアでの製作現場の体験
ナベルアジアマーケティング部の方との記念写真
ナベルアジアの方々と仕事後にサッカーで交流
JETROクアラルンプール事務所訪問の様子
クアラルンプールの商業施設で現地の人にインタビュー

帰国後の9月13日にはナベル本社にて、マレーシアにおける研修内容や学び、事前にいただいていた課題に対してのプレゼンテーションを行いました。副社長や社員の方々とプレゼンテーションに対する議論を行い、研修の集大成として学びを深めました。
CDRでは、海外での実務を通じて、グローバルに働くということを自分自身の目や体で経験することができました。また、マレーシアの人々と直接コミュニケーションを取ることで、マレーシアの多民族性や価値観、仕事に対する想いを学ぶことができ、日本との違いを実感しました。
このCDRで得た経験は、将来自分が何を仕事としたいのか、どのように海外に関わっていきたいのかを考えることのできる価値のあるものでした。将来のキャリア形成においてこの経験を活用していきたいと考えています。

末筆ながら、貴重な経験をさせていただいたナベルの皆さまに感謝申し上げます。

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