【国際関係学部】在外公館や国際会議場で活躍する卒業生をお招きし、現職や学生時代について語っていただきました!

2024.08.01

7月10日(水)の3時限目に、本学卒業生をお招きして国際舞台での活躍が可能な職業を紹介する企画、「国際協力・開発援助に関わる仕事セミナー」が開催されました。今回、公益財団法人 国立京都国際会館 営業推進部で勤務されている濵本麻衣さん(2023年3月国際関係学部卒業)、そして在外公館派遣員在コートジボワール大使館で勤務されている林貫太郎さん(2020年3月外国語学部国際関係学科卒業)のお二人をお招きし、「現在の仕事」やそこに至るまでの「経緯」、「学部の学びと現在の仕事とのつながり」などについて語っていただきました。

(学生ライター 国際関係学部4年次 澤岻 杏吏)


濵本麻衣さん(公益財団法人 国立京都国際会館 営業推進部)

初めに、濵本麻衣さんから、国立京都国際会館(以下、「国際会館」と表す)営業推進部におけるお仕事の内容や職場の雰囲気についてお話いただきました。本学と近い位置にある「国際会館」は、京都議定書が採択された場所でもあり、様々な国際会議の舞台となっている国内屈指の国際会議場、濵本さんはそこで準公務員として勤務されています。濵本さんは主に、関係各所と協力・協働しながら、主催者と催事を創り上げる催事運営の仕事に従事されており、「日本にいながら国際的な場面の一員になれることや主催者から感謝の気持ちを伝えられた時がやりがい」だと語ってくださいました。また、「学生の頃からマルチタスクやスケジュール管理をしておくと、かなり役立つ」というアドバイスもいただきました。その他にも、過去の国際会議において、会議終了期日までに決議がまとまらず深夜2時まで話し合いが行われたという裏話など、現場の職員だからこそ知れる情報もお話しされ、なかなか聞くことのできない貴重なお話を聞くことができました。

次に、就職活動に関するアドバイスについては、濵本さんご自身の経験を踏まえてお話しされました。最初に、8大業界について触れたあと、濵本さんの現職はMICE(Meeting Incentive Convention Exhibition・Event)業界と呼ばれ、「会議が円滑に進むような集中できる環境を作るウェディングプランナーに近い仕事」とのことでした。また、準公務員は公共性・公益性の高い仕事であり、準公務員内定のために必要な知識として社会の出来事を知っておく必要があること、そして自分の考えを自分の言葉で表現できるようにしておくことなどが挙げられました。これらの必要なスキルを磨くために、濵本さんは図書館で新聞を読み最新の情報を入手したり、日頃の小さな出来事にも関心を持つようにしていたことを話されていました。また就活への向き合い方として「他人と比べない」ようにとアドバイスされ、そのうえで早いうちから「何がやりたいのかを知り言語化しておくこと」や「時事をチェックする」など、準公務員になるために必要なスキルと強く関連した準備の必要性についてもお話していただき、改めて文章力や時事問題を頭に入れておくことの大切さを強く感じました。
また、大学1年次の頃から心がけていたこととして、学業成績優秀者になることをモチベーションに、授業は真面目に出席して学業・アルバイト等の両立をはかり、必要な情報は自分から取りに行くようにしていたとのことでした。

濵本さんの発表の様子

林貫太郎さん(在外公館派遣員 在コートジボワール大使館)

濵本さんに続いて、在外公館派遣員 在コートジボワール大使館で勤務されている林貫太郎さんにお話いただきました。最初に、動画で林さんの自己紹介や現職の仕事内容、コートジボワールの様子などご説明いただきました。在外公館派遣員とは、在外公館に民間の青年を派遣し、便宜供与(公用出張者の空港送迎)等を担当してもらい、日本の外交活動を側面的に支援する役割を担う仕事であり、原則2年の任期とされています。(在外公館とは、大使館、総領事館、政府代表部、領事事務所、出張駐在事務所などのこと。)そのため、辞書を使わずに新聞や雑誌の内容を理解・説明できるくらいの語学力が必要だということでした。また、給与は月額30-60万円ほどで、危険な地域に行けば行くほど給与は高くなる傾向があること、4月と9月の年2回の募集があり、応募資格としては日本国籍を有する者や高等学校卒業以上の者であることなどの説明がありました。また、現在の派遣国であるコートジボワールについてもご紹介いただき、カカオやカシューナッツの生産が世界一位であることや国の政治体制、大使館のあるアビジャンは運河に沿って街があることから移動もいろんな方法があることなど、現地の写真や地図をもとに紹介してくださいました。

次に、林さんの学生時代や自身の研究テーマ、就活、そして青年海外協力隊選考までの歩みについてもお話いただきました。1年次に海外フィールドリサーチで訪れたオーストラリアのパースのお話、そして3年次に参加したタイのチェンマイ大学のお話など、海外経験を通じてコミュニケーション学習からインターンまで幅広い学びを習得されたとのことでした。そして4年次の卒業論文では、「保護する責任」をテーマに民族紛争について研究し、紛争の原因を中心に議論を深めていたことについてもお話いただけました。また大学時代の授業では、特に三田先生がご担当の国際協力実務論が興味深かったことについて触れられ、授業内で行われたワークショップを通じて「学んだ国際関係学の知識を使って自分ごととして考えることが興味深いものであり、それがきっかけで国際協力をしようと思った」とも語ってくださいました。そして青年海外協力隊の応募を決断した経緯については、一度協力隊に応募するも不合格で、そんな中で一般企業に内々定はしていたが、「やはり協力隊への道が諦められない」という強い思いから再度秋募集に応募したというエピソードについて語ってくださいました。また「春募集の時は国際関係学部でどんな勉強をしたのかをアピールしたが、それを改善して秋募集では国際協力に対する思いをアピールした」と向き合い方を変えたことを話され、目指す将来像に対する信念の強さを深く感じられました。

林さんの発表の様子

質問コーナー

本企画の最後には質問コーナーが設けられ、学生から登壇されたお二人への様々な質問がされました。質問の中には、就職活動の際に意識したことやお二人が配属される職場で求められる語学力はどのくらいなのか、今後の目標についてなどの質問がありました。特に「学生時代にやっておけばよかったこと・やっておいてよかったことは何か?」という質問に対し、濵本さんは「できる仕事の幅が増えるので、英語力をもっと磨いておけばよかった」と話され、その一方で「検定などを受けて国際ニュースに関する能力を身につけるようにしていた」とのことで、最後に「最新の知見を持つに越したことはない」と答えてくださいました。また林さんは、「現場では現地スタッフとのコミュニケーションが大事になってくるため、そのネタとして色々な趣味を持っておけばよかった」としつつ、「居酒屋アルバイトでの料理経験を生かすことが出来たから、なんでもチャレンジすることが大事」、そして「幅広い分野の授業をとっていたため、JETROの職員ともうまく話をすることができる」というご自身の経験もふまえてお答えいただきました。

最後に、抱負として濵本さんからは「国際会議に重要な役職で携われる様に挑戦したい」、林さんからは「JICA開発人材育成事業による大学院資金選定に応募し大学院を目指し自分の専門性を磨きたい」と、決意を語っていただきました。また今回のセミナーの司会を担当した吉川准教授から参加した学生へ、「国の外か内かの違いはあるにしろ、国際関係での知識を今後のキャリアに活かして欲しい」と締めの言葉をいただきました。今回、本学を卒業された先輩方からのお話を通じて、学部で学んだ知識や経験を活かした活躍を知り、「自ら行動し目的に向かって進むこと」の大切さやを学び、改めて「国際関係学部で学ぶ意味」について改めて考えることが出来ました。今回の講演会でいただいた先輩方からのアドバイスをもとに、今学んでいる国際関係学や自分自身の研究テーマ、卒業後の進路に向けてより活力を持って動いていきたいと思いました。
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