【国際関係学部】フィンランドの教育と幸福度の関係性を学んだ留学物語ー国連で働く私の夢ー

2024.07.05

学部の授業以外にも活躍の場を求めて積極的に取り組む学生を紹介する本企画。

今回は、フィンランドのユヴァスキュラ大学への交換留学を終えた、国際関係学部4年次 中根 里菜さんに話を聞きました。

なぜ留学先にユヴァスキュラ大学を選びましたか?

 国際関係学部で約2年半さまざまな国際問題について学び、全ての問題において”教育”の視点からアプローチをし、解決に繋げていくことが重要であると考えました。教育についてもっと学びたい、教育が社会に与える影響について知りたいと思ったことが留学のきっかけでした。また、ゼミを通して人々の幸福度やwell-beingと教育の相関関係に関心を持ち、7年連続幸福度ランキング1位を誇り、高い教育の質が国際的にも評価されているフィンランドへ行き、実際に行かなければわからないフィンランド社会を肌で感じ、私たちが住む日本とは何が違うのかということを調査したいと思ったのがこの大学を選んだ理由です。
長い冬を乗り越えました
天候がフィンランド人の幸福にどれだけ影響しているかを実感

留学期間のスケジュールを教えてください

2023年8月19日 ユヴァスキュラ到着
8月29日 オリエンテーション
9月4日 1st Semester 開始
10月20日~25日 Semester Break
12月15日 1st Semester 終了
2024年1月15日 2nd Semester 開始
3月21日~4月3日 Easter Break
5月13日 授業終了
5月30日 帰国
フィンランドの家庭でイースターを一緒に過ごしました
冬を乗り越え、春(夏?)を満喫

留学先で履修した授業科目や授業の様子を教えてください

1st Semesterで履修した授業に関しては、前回の留学中レポートに記載しているので興味のある方はそちらをご覧ください。2nd Semesterでは3つの授業を履修しました。1つはLearning Developmentという授業で人間の学習発達についての専門的な知識を学びました。レビンソンという方が提唱した発達段階説やエリクソンが提唱したものなど、国際関係学部にいる際には学んだことのない分野を英語で理解しなければならなかったため、授業後に日本語で調べて理解を深め、英語の文献や授業のスライドをあらためて見る、また授業前にあらかじめ調べたり、参考文献を読むということを習慣化させていました。この授業に限らずですが、他の学生に遅れを取らないよう、またグループディスカッションが大半の授業であるためグループメンバーの方々に迷惑をかけないよう、何倍も時間をかけて勉強していたと思います。もちろん大変ではありましたが、教育学って面白い、もっと学びたいと思えるきっかけとなりました。
日本の小学校のドキュメンタリー映画を見に
とても開放的な空間で授業に参加

留学期間で心に残っているエピソードを教えてください

留学後半から、Local Friendship Programmeに参加しました。これは留学生とフィンランドの現地の人や家族がペアになって交流を深めるプログラムであり、私はユヴァスキュラに住む4人家族にお世話になりました。Easter Break の際には家族での夕食に呼んでくださって一緒にフィンランドの伝統料理をいただきました。フィンランドでイースターはどのような日であるのかといったとことや宗教との繋がりなどを教えてもらったり、子育てをする上での大変さやフィンランドの制度の良い部分などさまざまな事を教えてくれました。フィンランドの教育と幸福度の関係性について勉強している身として子育てや教育制度、フィンランド社会についてリアルな声を聞くことができたとても貴重な機会でありましたし、フィンランドの家庭にお邪魔させてもらい、実際に見なければわからない温かさや雰囲気などを味わうことができました。最後に今までのお礼として日本の家庭料理を振る舞ったのですが、皆さん喜んでくださってとてもいい縁をここで見つけることができたなと感じています。
Local Familyの子守唄を一緒に聴いていました
日本人書道家の個展のお手伝いに
お世話になったフィンランドの家庭で、鮭おにぎり、味噌汁、だし巻き卵、肉じゃがを作りました

留学前に立てた目標は、留学中に達成できましたか

前回の留学中レポートでも書かせていただいたのですが、留学の最後を締めくくるものとして卒論研究のインタビューを行うことが目標でした。日本と時差がありながらも、ゼミの先生の手厚い支援のおかげでしっかりとインタビューを終えて帰国することができました。私と同じようにフィンランドへ留学に来ている日本人留学生、フィンランドの学生、そしてユヴァスキュラ大学で研究をされているフィンランド人の方と日本人の方に最終的にインタビューを行いましたが、貴重な意見を頂けたこと、卒論を楽しみにしているよといった言葉を下さったことは本当に嬉しかったですし、ここまで約一年間の努力が形になったなと感じています。インタビューだけでなく、日々の生活を通してフィンランド社会についてたくさんの学びを得ることができました。私の留学の1番の目標であり目的は現地に行かなければ得られない学びや体験できない経験をする事であり、フィンランドの事について書かれている本を読むだけでは得られない学びをたくさん吸収し、最後にこうしてインタビューという形をしっかりととる事ができました。
フィンランドの様々な都市へ観光に。これは国立公園
オーケストラも最後までやり切りました

今後の抱負や、帰国後新しくチャレンジしていることを教えてください

 帰国後は4回生として卒論を仕上げていく事、そして大学院進学にむけて院試の勉強や研究計画書の作成に取り組んでいきます。とても大きな夢ではありますが、将来国連で働く事が私の夢であり、大学院進学もその夢に向けた第一歩にすぎません。しかしこの留学を通してより日本の教育や社会に関心を持ち、教育学研究所に進学してもっと専門的な知識を身につけたいと考えるようになりました。ユヴァスキュラ大学の教育学部で授業を履修していた時のように国際関係学とはまた違った分野であるため院試にむけて他の方の何倍を努力をしなければなりませんが、自分の夢に向けて、今後も努力し続けます。
帰国日の写真。わくわくと寂しさの半々でした
帰国後の日本食はやはり感動しました

これから留学を考えている皆さんへメッセージ、アドバイスをお願いします!

 インターネットが発達しデジタル社会の今の社会では、日本にいても諸外国の情報を簡単に知ることができます。海外の方ともオンラインで容易につながることができる今、留学を考えている皆さんにはぜひ、何のために留学をするのか、留学を通して何を得たいのかといった留学の目的をしっかりと持っていてほしいなと思います。留学したからこそ得られる学びや経験は本当に貴重なものであり、私にとってかけがえのない宝物です。日本を離れて生活をすることは楽しいだけでなく、辛いことや大変なこともたくさんありますが、住み慣れた環境を出て別の場所から日本という国をもう一度見ることは留学でしか経験することができないことであると私は思います。皆さんがその経験を通して日本について、そして自分自身について新たな発見や成長が得られることを私も楽しみにしています。
季節ごとのイベントも留学の醍醐味
図書館に雛人形が。フィンランドでも日本文化は大人気です
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