【国際関係学部】在日英国大使館ダレン・ゴフ貿易・対英投資ダイレクターが英国と日本の関係について講演を行いました!

2024.05.31

5月16日(木)、「国際経営論Ⅰ」(担当:植原 行洋教授)の授業の一環として、「在日英国大使館ダレン・ゴフ貿易・対英投資ダイレクター講演会」が行われました。英国と日本の二国間関係とその歴史、政治や経済、ビジネスについてご講演いただきました。

(学生ライター 国際関係学部3年次 樋上 智大)


講演でははじめに、英国と日本の経済関係の歴史が詳細に紹介されました。1982年のマーガレット・サッチャー首相と鈴木首相の会談が、両国の経済協力における重要な起点として取り上げられました。最近の英国のスナク首相と日本の岸田首相との会談も、両国関係を一層強化する重要な機会となりました。このような両首脳間の歴史的な交流の継続が、現在の両国間の経済関係の基盤を築いていると説明されました。
その後、ゴフ氏の経歴と彼の日本への深い関心が紹介されました。ゴフ氏は大学で歴史と経済学を学び、その後、英国のビジネス・通商省で働き、2015年に駐日英国大使館 対英投資担当参事官として、日本でのキャリアをスタートしました。現在もゴフ氏は日本の文化や経済に魅了され、英国と日本の経済関係の強化に尽力しています。

ダレン・ゴフ氏による講演の様子
次に、英国が持つ経済の強みが詳述されました。人口約6800万人、世界第6位の経済規模を誇る英国の経済は、金融サービスを中心に多様な産業から成り立っており、特にロンドンやエディンバラなどの世界的に有名な金融センターが英国経済の柱の一つとなっていることがわかりました。また、世界トップクラスの大学や研究機関が集まる英国は、革新的な技術やビジネスアイデアの発展を促進しています。

また、ゴフ氏は英国と日本の共通点が沢山あることを取り上げられました。両国は島国であり、議会制民主主義を採用し、王室・皇室も共通の文化的要素として存在しています。さらに、両国は長い歴史を持ち、伝統と革新を融合させた独自の社会制度を築いてきました。
さらに昨今の地政学的な変化が両国をさらに近づけていることも強調されました。特に、ロシアのウクライナ侵攻以降、民主主義国家同士の連携が強化され、英国と日本の間での協力が一層重要視されています。
ゴフ氏は日本企業からのイギリスへの180億ポンドの直接投資について詳しく説明し、再生可能エネルギー、テクノロジー、不動産、再生事業など、さまざまなセクターに及ぶと述べました。この直接投資は、イギリスにおける日本企業の積極的なビジネス展開を表し、イギリスで日本企業のビジネス機会がたくさんあるということを教えてくれました。

また、ゴフ氏はイギリスの様々な得意分野を詳細に説明し、特に世界をリードするイギリスの洋上風力エネルギー、デジタル革新などを挙げ、日本企業が活躍する機会があるとしました。また、日産など日本の自動車メーカーが、イギリスの自動車産業への大規模な直接投資を行っていることを強調しました。

その後、日本でのイギリス企業の潜在的な機会に焦点を当て、デジタル化、防衛などを取り上げました。さらに、来る大阪・関西万博を機に、革新、技術などをコンセプトとしたイギリスのパビリオンについても触れました。
最後に、ゴフ氏は、世界の不安定な状況の中で、イギリスと日本のパートナーシップの重要性を強調し、両国にとって相互に利益をもたらす潜在的な可能性についての期待を述べました。

その後行われた質疑応答では、多くの学生が英国と日本のビジネスのこれからについて、生成AI、米大統領選挙が英国や日本ビジネスに及ぼす影響など多岐にわたる質問を行いました。
ゴフ氏もこれらの質問に対して明快に答えてくれました。非常に学びが多く、刺激を受ける講演会となりました!
学生からの質問の様子①
学生からの質問の様子②
また、講演会に先立ち、ゴフ氏は国際関係学部の正躰学部長を訪問し、ストレフォード教授と植原教授も同席の中、日英の経済交流や教育制度について意見交換を行いました。
(右から)ダレン・ゴフ在日英国公使、正躰学部長、ストレフォード教授、植原教授

国際関係学部の授業では、外交、ビジネス、国際協力の現場で活躍する実務家を招き、世界の最前線の知識や実情を学びます。

他にもさまざまなゲストスピーカーによる講演会を開催しています!

PAGE TOP