【文化学部】川の景観とアクティビティをさらに楽しもう!!-中野ゼミの保津川でのフィールドワークからの報告-
2024.11.25
文化学部京都文化学科 中野 宏幸 教授の「観光文化基礎演習B(2年次)」「観光文化演習ⅠB(3年次)」は、11月16日、京都府と保津川漁業協同組合のご協力の下、亀岡市の「川の駅・亀岡水辺公園」において、カワウによる鮎などの食害対策としてのテグス張りや鮎の塩焼き体験など、川と自然に親しむフィールドワークを行いました。京都府は関係自治体や地元の団体と連携し、府域の観光資源を活用した地域体験ツアーの創出に力を入れています。
今回のフィールドワークでは、まず京都府商工労働観光部観光室長の西田 剛氏より「川の京都」の観光コンセプトについて、京都府農林水産部水産課長の川原崎 尚志氏からは内水面漁業の振興の取り組み、そして保津川漁業協同組合の組合長の磯部 和雄氏より保津川漁協の活動の概況、放流した鮎をカワウから守るテグス張りの意義や方法について、ご説明をいただきました。引き続き、保津川において、漁協の方の懇切なご指導の下、テグスを固定するための杭の打ち込み、テグス張りとカワウ対策の効果を高めるためのテグスへのリボン付けの作業を行いました。

「川の駅 亀岡水辺公園」は、2022年4月にオープンした「子どもから大人まで誰もがワクワクする保津川づくり」をテーマとする総合的なアウトドア・アクティビティ施設です。地域の共有財産である保津川の「歴史文化」と「自然環境」を学び・守る取り組み、地域特有の「観光ツーリズム」をつなげ、循環型の「持続可能な川・観光地」を目指しています。




また「鮎の塩焼き」体験として、鮎に串を打ち、下ごしらえをして焼く作業を学びました。昼食時には、早速焼いたばかりの鮎をいただきましたが、学生は、塩のよく効いた鮎の香ばしさと美味しさに、歓声をあげていました。さいごに、実習全体を総括して、京都府と漁協の方々と意見交換を行いました。
京都府では、「交流」「持続性」をテーマとした京都府観光総合戦略の下、風情ある景色を生む「川」をテーマとしたブランドの構築、地域との交流を深めるツーリズムの造成や情報発信を進めています。そして、大阪・関西万博をきっかけとし、世代を超えた発信やネットワークづくりに力を入れることを学びました。

学生からは、今回の体験について、次のような声が聞かれました。
テグス張りの作業について
- 漁協の方のサポートで行ったが、作業に無駄がなくて、やりやすかった。仕事に誇りをもってされていることが伝わってきて、楽しく行えた。
- 鮎を守るための活動を実際にやってみると想像以上にきつく、生態系を守るために組合の方々がしている仕事はすごいと思った。
鮎の塩焼き体験について
- 鮎のぬめりを落としたり、塩をつけたりする作業など、これまで経験したことのないことばかりで、新鮮な気持ちで楽しむことができた。
- 鮎の塩焼きは、小学生など幼い子でも楽しくつくることができるので、体験型観光としてよいものになるのではないかと感じた。
地域の方々の取り組みについて
- 地域の人たちが協力し合いながら漁場環境の安全対策や管理を行っていること、また内水面漁業者の減少などの課題があるなかで、自然を守っていくためにいろいろな戦略を打っていくことの大切さがよく分かった。
- 鮎釣りや調理体験は、日本人だけでなく、外国人にも魅力のある文化的な取り組みと思った。アクティビティの好きな方は、国籍・性別・年齢関わりなく参加の価値を感じると思う。
- 地域の皆さんがとても温かく、とても楽しいフィールドワークだった。ぜひもう一度来てみたい。
地域の方々とのコミュニケーションや体験の機会をもち、さまざまな地域の取り組みから気付きを得ながら、交流増進の視座を育んでいってほしいと思います。