【文化学部】地域の文化や自然に親しむ体験型プログラムのコンセプトを学ぼう!!-中野ゼミの「お茶の京都」のフィールドワークからの報告-
2024.11.08
文化学部京都文化学科 中野 宏幸 教授の「観光文化演習ⅠB(3年次)」「観光文化演習ⅡB(4年次)」は、10月27日、宇治田原町を訪問し、「お茶の京都DMO」(一般社団法人京都山城地域振興社)のご協力の下、体験型コンテンツのデザインや企画開発の考え方を学ぶフィールドワークを行いました。「お茶の京都」エリアの宇治田原町では、魅力増進や関係人口増を目指す地域体験ツアーの創出に力を入れています。
今回のフィールドワークでは、「宇治田原町地域おこし協力隊」で活動され、町に移住されてきた高橋 一樹氏より、高齢化等で使われなくなった茶園を活用した「茶の実オイル」づくりの活動、地域とふれあえる新たなコンテンツ開発の取組について、説明を伺いました。そして、宇治田原町の観光交流施設「宗円交遊庵やんたん」において、高橋氏及び大辻茶菓店の大辻 恵子氏のご指導の下、茶の実オイルを使った石鹸作り、和菓子作りと抹茶淹れを体験しました。

宇治田原町の「やんたん(湯屋谷)」地区の町並みは、2015 年に「日本茶 800 年の歴史散歩」とのテーマの下、日本遺産の第一号に認定されています。「1738やんたん里づくり会」の木谷 茂和氏のご案内により、茶問屋の浅田園の製茶工場と高田園を訪問し、お茶の製法、茶産業の歴史について学びを深めました。また、高野山真言宗の古刹である奥山田の正壽院では、副住職の久野村 大寛師より、寺院の歴史や寺宝・文化財のご説明をいただきました。御本尊は十一面観音菩薩立像で、鎌倉時代に活躍した快慶作による不動明王坐像が安置されています。客殿では、ハート形の「猪目窓(いのめまど)」や花と日本の風景をテーマに描かれた天井画を見学しました。



昼食には、地元でとれたうなぎを食べていた時代を偲び、当時の風習を再現する「うなぎ茶漬け」をいただきました。「お茶の京都」は、京都府南部の 12市町村から構成される「もうひとつの京都」の取組です。その推進母体である「お茶の京都DMO」は、関西・大阪万博の開催をきっかけとし、インバウンド誘客の更なる推進、淀川舟運と連携した沿線市町の賑わいづくり、観光まちづくりに関わる人材育成支援に力を入れています。

学生からは、「やんたんの地域の方々の温かさを感じた。また来たいと思うような素敵な場所だった」「フィールドワークを通じて、お茶を活用したまちづくりや活性化の方法の幅広さを感じた」「石鹸作りや和菓子作りはとても楽しく、体験作業の面白さを理解することができた」「自分が作ったものがお土産になるという体験は、思い出になりやすいとあらためて感じた」といった声が聞かれました。地域の個性や多様な取り組みに接し、地域の姿を体感しながら、魅力増進の視座を育んでいってほしいと思います。