【文化学部】「茶道体験」と「観光ガイドツアー」から学ぶ観光文化
2024.07.11
文化学部専門教育科目「観光文化学PBL1」では、京都での学びに相応しい美意識の涵養や自己洞察、チーム形成の手法として、茶道体験や文化・観光施設をフィールドとした演習を行っています。今年度は6月23日(日)に京都市北区にある茶道速水流にて茶道体験を行い、6月29日(土)に京都市上京区の出町商店街にて行われた観光ガイドツアーの実習を行いました。
速水流:茶道体験

茶道体験は平野神社と北野天満宮の近くに位置する速水流家元の茶室「滌源居(てきげんきょ)」にて行われました。茶道速水流は江戸時代後期に創始された流派であり、現在は八代の速水 宗燕氏が家元を務めています。当日は梅雨時期の京都らしい蒸し暑い日でしたが、路地の雨粒を纏った植物の瑞々しさや仄暗い茶室の情景が日々の喧騒から離れた特別なひと時をもたらしてくれました。

参加した学生の中には茶道経験者がほとんどいなかったこともあり、最初は心もとない様子で互いに顔を見合わせていた学生たちも、宗燕氏の優しく丁寧な語り口や時折交えられる冗談に徐々に心を落ち着かせていきました。学生たちは慣れない所作に四苦八苦しながらも、涼しげな主菓子で季節を楽しみ、温かいお茶をいただきながら、ゆっくりとした時間の中で茶道に思いを巡らせていました。
学生の声
- 自身の足元を見るというお話が印象に残った。目まぐるしい日々の生活の中で、少しでも自身の足元を見ることができる時間をつくるようにしていきたい。
- 部屋の隅々に至るまでさまざまな工夫が施されていて、細かな部分まで楽しむことができた。
- 茶道は美しさの表現であるというお話があったが、実習を通して茶道の道具や作法はまさに美しさの表われだと感じた。


出町商店街:観光ガイドツアー
出町商店街の観光ガイドツアーでは、全国通訳案内士の資格を持つ稲垣 陽子氏を講師にお迎えしました。稲垣氏は「Osaka Kitchen」という外国人向け料理教室の代表も務められており、国内外を問わず多くの方々に日本の歴史や和食の知識などを発信されています。梅雨の晴れ間となった土曜日の午後、出町商店街近くにある鯖街道口の石碑前から実習がスタートしました。
稲垣氏からは観光ガイドを行う上での心がけや注意点、参加者の知識やバックグラウンドに応じたガイドの方法などの実践的な説明が行われました。また、商店街を巡る際にはグループコミュニケーションアプリとイヤホンを活用するなど、大声で周囲に迷惑をかけないようにする工夫もご教示いただきました。コミュニケーションアプリはツアー資料の事前共有にも活用されていました。
学生の声
- 一方的に知識を披露したり、計画通りにツアーを進めたりするのではなく、ツアー参加者の意見を取り入れながら臨機応変に対応することの大切さを学んだ。
- インターネット等には掲載されていない、ガイドの方の実体験を踏まえた説明が興味深かった」「外国人向けツアーと聞いて、言語能力ばかりに気を取られていたが、ツアーを行うための準備やツアー中の留意点など、より広い視野で観光ガイドの仕事を学ぶことができた。



