【文化学部】中野ゼミで京焼・清水焼の歴史文化と多様な魅力を学ぶフィールドワークを行いました!!

2024.06.24

文化学部京都文化学科 中野 宏幸 教授の「観光文化演習ⅠA(3年次)」では、6月16日、元・藤平陶芸の登り窯において、400年以上にわたる京焼・清水焼の歴史とその発展に寄与してきた登り窯の歴史的・文化的価値を学ぶフィールドワークを実施しました。
登り窯は、個人で窯を所有しない陶家が陶磁器を焼成した共同窯であり、1968年まで供用されていた藤平窯には、京都市内に現存するなかでも最大規模の登り窯と作業場が操業当時の姿を留めたまま残されています。五条坂陶点睛かわさきの8代目当主・五条坂陶栄会会長の河崎 尚志氏のご案内により、時代に応じた清水焼の作風の変化や登り窯の機能・役割について学びました。
その後、東山区役所において河崎氏より、インバウンド旅行者の増加などの観光を取り巻く状況の中で、誰もが安心して観光を楽しめる「ユニバーサルツーリズム」のまち・東山の実現を目指し、サービス向上に向けて東山のコミュニティが一体となって取り組んでいる「京都・東山観光おもてなし隊」の活動について話を伺いました。
藤平窯での全体写真
藤平窯で川崎氏の説明を聴く学生
さらに、2022年4月に東山五条に開業したノーガホテル清水京都を訪問しました。ノーガホテルのコンセプトは「その地域と深くつながること」であり、そこから生まれる「素敵な体験」を大切にしています。この考え方に基づき、客室には京都の陶芸家やアーティスト、企業との連携によるオリジナルの品々が配置され、また宿泊者がさまざまな京都の姿に遭遇できるように、ホテルのメディテーションルームでの瞑想体験をはじめ、音楽・アートや食などを体験する機会を提供しています。宿泊者のうちインバウンド旅行者が占める割合は約8割であり、運営統括部担当課長の松永 幸子氏より、ホテルの理念とあわせ、インバウンドを含めた旅行者の多様なニーズに応じたきめ細かなおもてなしの考え方について話を伺い、京都の伝統文化を踏まえたホテルの創造的な取組について理解を深めました。
ノーガホテルで松永氏の説明を聴く学生
学生からは、「東山という京都の観光の中心地での地域と観光の結びつきについて、現状の課題や取り組みなどをホテルや伝統工芸など多面的に学ぶことができ、とても良い刺激となった」「地元の方と観光客が共存できるような地域連携、伝統産業の保存や活用を行って、町の活性化に繋げているのだと感じた」「東山全体が一つのチームとなって、多様な来訪者をもてなす取り組みを行っていることを知ることができた。こうした取り組みは観光客だけではなく、全ての人にとって暮らしやすい地域づくりに繋がると感じた」といった声が聞かれました。
観光を取り巻く状況が大きく変化する中、地域が大切に守ってきた歴史文化の価値やそれらに関わる地元コミュニティの取り組みに幅広く関心をもち、これからの時代に向けた視座を育んでいってほしいと思います。
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