【文化学部】中野ゼミで宇治茶を味わう「体験型ツーリズム」のフィールドワークを行いました!!

2024.05.24

文化学部京都文化学科 中野 宏幸 教授の「観光文化演習ⅡA(4年次)」は、5月18日、宇治の京都府茶業会議所の「匠の館」において、宇治茶の美味しい淹れ方と味わい方を学ぶフィールドワークを実施しました。日本茶インストラクターより、宇治茶の歴史、茶葉の育て方や効能とあわせ、人肌くらいにお湯を冷ましてテアニンなどの成分を引き出すお茶の淹れ方の説明があり、宇治玉露のまろやかな旨味と香りを味わい、そして茶葉を美味しくいただきました。
宇治エリアは、2015年に日本遺産第1号として指定され、宇治を訪れる国内外の旅行者は増えています。大河ドラマ「光る君へ」の放映にあわせ、源氏物語ゆかりの地として歴史公園交流館「茶づな」では「大河ドラマ展」が開催されています。1928年に建設され茶産業の発展を支えてきた京都府茶業会館の建物を見学し、地域の文化的価値やその魅力発信のあり方への学びを深めました。
全体写真
玉露の淹れ方に熱心に取り組む学生
当日は、全国煎茶道大会が開催されている黄檗山萬福寺を訪れ、その塔頭の1つである宝蔵院を見学しました。宝蔵院は、鉄眼禅師の発願により完成された一切経の約6万枚の版木を収蔵しており、そのうち約4万枚は重要文化財に指定されています。版木の材料は吉野桜で、一切経開版の事業は、明朝体の文字や原稿用紙の原形となる規格を定着させ、印刷文化の発展の原動力となりました。版木の歴史や意義、管理の状況について盛井 幸道 住職より説明をいただき、文化財の価値や保護を巡るさまざまな課題を学びました。
宝蔵院収蔵庫で盛井住職からの説明を聞く学生
今回はフィールドワーク全般を通じ、「お茶の京都 DMO」(京都山城地域振興社)の方のご協力により、宇治エリアの魅力や取組を幅広く学ぶことができました。学生からは、「匠の館での玉露の淹れ方体験では、温度や蒸らす時間によって味わいが全く異なることが印象的だった」「本格的なお茶を味わうことができた。お茶が美味しく、驚きと新しい発見でいっぱいだった」「この場所でしかできない体験をすることができた。ゆったりとした魅力を感じとることができた」「文化財の保存の課題をリアルに知ることができた」といった声が聞かれました。
地域の文化の価値の認識や継承の取り組みにより広く関心をもつとともに、それらに関わる課題を洞察し、これからの時代に向けた視座を育んでいってほしいと思います。
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