【経済学部】藤井ゼミが京都フィナンシャルグループと「金融機関の気候変動への対応におけるCFPの導入実態と活用の課題」について意見交換を行いました

2024.07.23

藤井ゼミと京都フィナンシャルグループの意見交換会
意見交換会
開催日時:2024年7月10日(水)10:30-11:30
開催場所:京都銀行本店(京都市下京区烏丸通松原上る薬師前町700)
参加者: 京都フィナンシャルグループ
サステナビリティ経営統括部 審議役 猪熊 清統氏   担当次長 阪口 堅志氏  平井 桜子氏
藤井ゼミナール(3年)
牧さん 田渕さん 下谷さん 髙橋さん 畠山さん 𠮷村さん

意見交換の概要

これまで、藤井ゼミでは、地域の脱炭素化推進のためには地域金融機関の役割が重要であるとの認識のもとで、2022年に京都中央信用金庫と「SDGs・ESG・脱炭素の取り組みと地域金融について」の意見交換会を行い、2023年に京都信用金庫と「気候変動対策における地域金融機関の役割と課題」の意見交換会を実施してきました。
今回は「金融機関の気候変動への対応におけるCFP(カーボンフットプリント)の導入実態と活用の課題」の意見交換会を京都フィナンシャルグループと行いました。
まず、環境問題対応に関する世界情勢の動き、研究背景と研究目的、CFPの導入実態と課題、京都フィナンシャルグループの現状把握、地域金融機関の脱炭素への取組事例について、藤井ゼミが作成した資料をもとに、牧ゼミ長が発表を行いました。
その後の質疑応答では、地域金融機関としての役割に対する考え方や、実務上の取り組みを行ううえでの課題等について、京都フィナンシャルグループより回答いただきました。

質疑応答の内容

Q. 京都府及び近畿地方の脱炭素化推進の観点から、中堅・中小企業へのCFP算定の導入についての貴グループの現状認識をお聞かせください。
A. 中小企業の経営者の方々は、脱炭素化への取り組みが必要であると認識されているものの、コスト面や人員面等の課題から、具体的な取り組みに至っていないところが多いと感じています。
CFP算定に取り組まれている企業の例として、欧州企業と取引を行う企業から「欧州等ではCFPへの対応が今後必須となってくるが、サポートしていただけないか?」というご相談を京都銀行にいただき、課題解決に向けた支援に至ったケースがあります。
CFPは脱炭素化への手段/開示方法の一つですね。まずは取り組みの一歩目として、自社の温室効果ガス排出量を算定し、現状を「知る」ところからスタートする企業を増やしていくことが必要です。
Q. 京都フィナンシャルグループの今後のCFPの取り組みに関する考え方を教えてください。
A. まずは、脱炭素に対する取り組みがどのようなものか、サプライヤーからどのような対応が求められているかについて、知っていただくための啓蒙活動を進めていくことが使命の一つだと考えています。
その取り組みの一例として、今年3月には、京都のグローバル企業3社(島津製作所様、SCREENホールディングス様、ローム様)と協力し、「中小企業のためのサステナビリティ経営実践セミナー」を、主に3社のサプライヤー企業様向けに開催しました。
Q. CFP算定ツールの実際上の使い分けに関する認識や課題について教えてください。
A. 前述の通り、まずは「知る」ところからスタートする企業が多いので、当社では、入り口となる温室効果ガス排出量の算定から、削減目標の設定、サステナブル・ファイナンスの提供等の具体的な取り組み支援を行っています。
算定ツールについては、黎明期なので仕方がないことですが、企業ごとに使用しているツールが異なるため、サプライチェーン間でデータを連携する際にインターフェイスが合わないという問題があります。算定自体がまだ広く導入されていないため、ツールの使い分けについてどのように整理をしていくのかが今後の論点となるのではないでしょうか。

今回の意見交換を終えて各ゼミ生の感想

すべての中小企業へのCFPの導入には、まだ多くの課題があるが、まずはセミナーを開くなどをして中小企業への認知をあげていく必要があるということを教えていただきました。(牧さん)
金融機関のCFP算定に対する取り組みの現状だけでなく、金融機関からみた中小企業のCFPに対する取り組みの現状についても実務を行ううえでの現状を知ることができ、CFPの現状についてより深く理解することができました。(田渕さん)
現在のように義務化されていないCFPを導入していくには難しい問題が多く、企業との協力が必要不可欠だと分かりました。(下谷さん)
地域企業のCFP導入に関しての議論のなかで、京都の地域産業構造の特色など、地域金融機関からの視点から問題を見ることができ、興味深かったです。(髙橋さん)
今回の活動で地域金融機関だけでなく中小企業の脱炭素への取り組みや、CFPがどれだけ認知されているかなどを知り、現状の課題の理解をより深めることができました。(畠山さん)
実際に現場で脱炭素化に取り組まれている方々の話を聞き、地域金融機関のCFPへの取り組みについてより深く知ることができました。(𠮷村さん)
京都フィナンシャルグループ様には、貴重なお時間をいただき、心より御礼申し上げます。ご丁寧な説明と対応をしていただき、大変勉強になりました。今後の我々の研究にも活かしていきます。重ねて御礼申し上げます。(藤井ゼミ一同)

(記録係:田渕)

藤井ゼミ
藤井ゼミ3年次生
意見交換会参加者
意見交換会参加者
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