【経済学部】上方講談「淀屋の屏風」で学ぶ江戸時代の商業と商人

2024.07.30

上方講談師の玉田 玉秀斎氏
経済学部の専門教育科目「日本経済史A」(担当:井奥 成彦非常勤講師)で、プロの上方講談師である玉田 玉秀斎氏による講談授業が行われました。
この「日本経済史A」は今日の日本経済の源流をなすとみられる江戸時代にスポットを当てて今後の日本経済がどうあるべきかについて考える授業です。2024年7月8日(月)の授業では、「淀屋の屏風」というお話をしていただきました。江戸時代の商業と商人についての授業に寄せていただいたものです。

「淀屋の屏風」のお話

江戸時代初期から中期にかけての日本きっての豪商・淀屋の屋敷には多くの文人墨客が出入りしていた。ある時そこに京の著名な絵師がやってきた。淀屋は彼の絵の腕前を見るため、金屏風に竹林の中の七賢人の墨絵を描かせるが、その絵に対して、居合わせた尺八吹きがケチを付ける。彼の言い分は、竹林の中の七賢人は故事に合わせて笑顔にしなければならないのにそうなっていないというもので、彼は自分が描き直してやると言うや絵の中に入って七賢人を笑顔に描き換え、描き終えると絵から出てきたという不思議な物語です。
これはもちろんフィクションですが、淀屋に限らず当時の豪商のもとには多くの文人墨客が集まっていたことは事実です。授業の中でも紀伊國屋文左衛門のもとに俳人の榎本其角や画家の英一蝶が身を寄せ、資金援助を受けるなどしていたことを紹介しました。こういった豪商のもとに集まった文人墨客がそれぞれの作品について時にかんかんがくがくと議論したりマウントを取り合っていた様子をイメージするに十分なお話でした。
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