【経営学部】森口ゼミ・大学生から考えるキャリア開発。キャリア開発の基本や早期化する現代の就職活動の対策とは?

2024.12.11

森口ゼミでは、経営学の基礎的な内容と経営戦略・アントレプレナーシップをベースに、経営学の知識や道具の「獲得(インプット)」と「活用(アウトプット)」の両方を重要視した活動を行っています。今回は、国家資格キャリアコンサルタントの知識と経験を持つ高知大学の谷口 ちさ氏をゲストスピーカーとして迎え、キャリア開発の基本や早期化する現代の就職活動の対策から、今から心掛けることについてまでを講義いただきました。その様子を取材しました。

(学生ライター 経営学部4年次 栗山 愛菜)

組織行動論やキャリア論について研究されている谷口氏
谷口氏は企業での実務を経験後、法政大学博士後期課程で組織行動論やキャリア論の研究をしながら、高知大学にて現在キャリアに関する研究と教育に従事されています。キャリア開発の相談を多く受けてきた谷口氏は、人生を「RPGみたいなもの」と表現し、「キャリアとは」について話をされました。キャリアは、ライフ・キャリア(広義)とワーク・キャリア(狭義)に分かれ、自分のこれまでのさまざまな選択が、その後の仕事・働き方の決定につながるとし、「自分の価値観が認識できていないと苦戦する」と強調しました。自分が大事にしている価値観があれば、ライフ・キャリアの変更の際には、それを基盤に自分の置かれている環境(ワーク・ライフ)を変更できます。しかし、常に自分の変化を振り返り、受け止める心掛けが大事だとし、キャリア開発には身近な人だけでなく、幅広い繋がりが大事であると話されました。さらに「大学生活は社会人になるための接続期間であり、新たな組織に所属する際のリアリティショックを経験する良い期間となる」とし、大学生活で様々な人と交流することを心掛けることが大事であると話されました。
エッグシェイカーを音楽に合わせて受け渡すゲームを実践

また、就活生に求められているコミュニケーション能力は、「共感力」と「観察力」が重要であると話されました。谷口氏は良質なコミュニケーションには「リズム」が必要とし、周囲のリズムに合わせて調子に乗れているかが重要だと強調されました。実際に「調子に乗る」ということのイメージを持ってもらうために、授業内で学生が輪になり、卵型のマラカス・エッグシェイカーを音楽に合わせて隣の人へ渡していくという、リズムゲームを実施しました。一見簡単そうですが、グループや音楽によってパスの速さが異なり、何回もエッグシェイカーを落としてしまう光景が見られました。このリズムゲームを通して、自分の置かれている環境に合わせて周りと協力することの難しさを知り、調子に乗るイメージを掴むことができます。谷口氏は、調子に乗れなかった時に自分自身を客観視して自分をよく知ることが良質なコミュニケーションに繋がるとし、自分のできることを認識することで、企業が求める主体性が身に付くと説明されました。また、谷口氏は社会人になると曖昧な世界の中で、自分で最適解を導き出さなくてはならないため、曖昧さに寛容になってほしい、経験のないこと対して自分の態度を開かせることを心掛けてほしいと話されました。また、試行錯誤と失敗をして、そこから学び、ワクワクすることが今後のキャリアを築くために重要だと強調されました。

自身のキャリア開発について考え、深く学べる講義でした!
最後に、キャリア開発の基本は自分で決断すること、自分の価値観を知ること、能動的に学ぶことだと話されました。学内だけでなく興味のある社会活動を行っていろいろな人とぜひ交流してほしいと学生にメッセージを送られました。

今回の講義の中で「新しいことにいろいろ挑戦して失敗すること、それに対してワクワクすること」という言葉が印象的でした。私自身も春から社会人になるため、心に留めて色々なことに挑戦していきたいと思います。講義は和やかな雰囲気で実施され、就職活動を控える学生にとって自身の悩みや可能性に向き合えた機会になったのではないかと思います。 
PAGE TOP