【経営学部】総合商社とは?大手総合商社 吉成 雄一郎氏が講義!

2024.06.19

経営学部 柴野 良美准教授が担当する「経営戦略論(企業戦略)」は、経営戦略の中でも企業戦略(全社的にとるべき戦略)について、さまざまな理論や概念を学び、実際の企業事例に照らして理解することを目標とする授業です。今回は大手総合商社の吉成 雄一郎氏をゲストとして招き、授業が行われました。その様子を取材しました。

(学生ライター 経営学部2年次 井上 貴仁)

授業では、1部が吉成氏のこれまでの経歴や企業事例の紹介、2部が質疑応答の2部構成で行われました。1部では吉成氏が理工系大学院修了後に大手総合商社に入社してから、現在に至るまでのキャリアや、総合商社についての解説が行われました。吉成氏は、社内べンチャー (スタートアップ)を立ち上げて経営に携わり、その後シリコンバレー支店に赴任してDXやスタートアップ投資を主導してきました。さらに、 MBA・博士号を取得し、さまざまな大学や企業で講義・講演を行うなど、多彩に活躍されていました。今回はその活動を通じて得られた組織マネジメントに関する事例や体験、 シリコンバレーでの経験や歴史についてお話しいただきました。

また、総合商社について詳しく解説されました。吉成氏は総合商社が「日本経済を支える役割」を持っていると解説し、総合商社の仕事について2点のポイントにまとめました。1点目は、多様なビジネス分野において総合商社は、食品からエネルギー、化学製品から自動車、インフラ開発から金融サービスまで、さまざまなビジネス分野で活動しており、経済全体にわたる広範な影響力を持っているということ。2点目は、総合商社は世界中に拠点を持ち、グローバルなネットワークを駆使して貿易を行っているということ。このネットワークを活用することで、効率的に商品やサービスを流通させ、新たな市場を開拓することが可能であると説明されました。2部では学生から吉成氏に対する質疑応答が行われました。その一部をご紹介します。

【質疑応答】

吉成さんが学生時代に戻れるなら、将来に向けて何をすべきかを今の学生に向けて教えてください。

留学ですね。学生のうちにぜひやっていただきたい理由をあえて言うと、学生と社会人の違いは、学生はお金がないけど時間はある。でも、社会人になるとお金はあるけど時間がない。時間がかかることは学生のうちに挑戦してもらいたいと思います。
また、何かをやり遂げてほしいですね。学生時代に「自分はこれをやった」という心の中の自信はとても大事なので。何かに没頭したことがあるのが、理想的な学生像であるように思います。

就職活動をする上で、企業のどの部分に注目して見るべきだと思いますか。

皆さんが気になる、その会社が「社会のどのような役に立っているのか」という点をよく考えることで、マクロ感(全体感)を学んでいただきたいと思います。例えばコンビニだけ見ても、いろいろなビジネスが実は関連している。少し目線を引いて、その会社がどのような社会の役に立っているのかということを見ることが大事。学生さんの立場だと目の前に見えている商品や企業に対してのイメージはあると思いますが、実はその後ろにあるものは、なかなか想像がつかない。だから、それをできるだけ掘り下げて、見ていただくことが大切だと思います。

社会で一番ためになる力は何ですか?

一番難しい質問ですが、「コミュニケーション力」が大切と思います。仕事は一人ではできない。すべての仕事にはチームワークが必要です。誰かに助けてもらったり、誰かと一緒に仕事をする必要がある時に、コミュニケーション力が重要となってくる。相手に正しく理解してもらい、相手に動いてもらうことが大事になります。さらに、単に「自分がやりたい」というだけでは、誰も動いてくれない。「こんな風にして、こういう事にしたいから」と、相手を説得して、巻き込んでいくことが大切です。コミューケーション力は、大変大事な能力ではないかと思います。

学生たちは、自身のキャリアと照らし合わせながら、熱心に聴講していました。2年次から自身の人生のキャリアについて深く考えることや、実際に企業で起こった事例を聞くことができる機会は、とても学生にとって貴重な時間となりました。また、受講生と同じ学年である私にとっても、非常に参考になる授業内容でした。

講師紹介

吉成 雄一郎 氏 
大手総合商社 デジタル事業部長
1996年大手総合商社入社後、社内ベンチャーを設立。その後シリコンバレー支店に赴任し、DXやスタートアップ投資を主導する。デザイン思考のコーチングを60クラス、1800人以上に行ってきた他、大学・大学院でイノベーションやアントレプレナーシップの講義なども行う。

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