【理学部】物理科学科 齊藤准教授の解説記事が学会誌アンサンブルに掲載されました

2023.05.23

研究成果

理学部 物理科学科の齊藤 国靖 准教授は、数値計算による粉体の物性に関する最近の研究成果をまとめ、粒子間に働く粘性力の役割に焦点を当てた解説を行いました。この研究成果は、分子シミュレーション学会誌『アンサンブル』に掲載されました。

掲載論文

著者:齊藤 国靖
題目:粉体のマクロな物性に果たす粘性力の役割
掲載誌:『アンサンブル』2023年25巻2号 p.125-130
ISBN:1884-6750

研究概要

粉末状の食品、薬品、化粧品など、沢山の粒子からなる粉体は日常生活に欠かせない物質の一つです。粉体を構成する粒子の粒径は数㎛~㎜といわれおり、原子や分子に比べてはるかに巨視的なのが特徴です。
そのため、熱的な性質とは無縁で、粒子同士の相互作用には粘性力や摩擦力の他に、粘着力や電気的な力など、多種多様な要因が存在します。
さらに、粒子形状や粒径分布もさまざまで、粉体の(粒子の集団としての)マクロな物性をミクロな視点から説明することは大変複雑な問題になります。
そこで、数値計算を用いて粉体の物性を調べようという立場では、色々な要因を一つずつモデルに加えながら研究を進める方法が取られてきました。
この解説記事では、分子動力学法を用いた数値計算による粉体の粘弾性、音波物性、拡散に関する研究を解り易く紹介し、上述の要因の一つである粘性力に焦点を当てて、粉体のマクロな物性にどう影響するかを詳しく解説しました。

参考

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