【理学部】物理科学科 齊藤准教授がソフト粒子系の非局所的レオロジーに関する解説記事を出版

2023.03.27

研究成果

理学部物理科学科の齊藤国靖准教授は、ソフト粒子系の非局所的レオロジーに関する研究を行い、コルモゴロフ流など空間的に不均一な流れにおいては非局所性の効果が重要であることを数値シミュレーションによって明らかにしました。この研究成果は、学術誌『表面と真空』の解説記事として掲載されました。

掲載論文

著者: 齊藤 国靖
題目: 粒子の界面を介して働く力のネットワークと非局所性
掲載誌:『表面と真空』2023年66巻3号 p.170-175

DOI:10.1380/vss.66.170
URL:https://doi.org/10.1380/vss.66.170

研究概要

気泡、油滴(エマルジョン)、粉体など、肉眼でも見ることのできる巨視的な粒子の集まりは日常生活と関りが深く、工学的にも重要な研究対象です。特に、これら「ソフト粒子系」のレオロジー特性を理解することが重要で、これまで実験とシミュレーションの両面から多くの研究がなされてきました。本研究では、ソフト粒子系のレオロジー特性を調べるため、分子動力学法によりソフト粒子のコルモゴロフ流を再現し(図)、せん断率や応力のプロファイルを数値解析しました。その結果、従来の構成則をそのまま局所的な表式に拡張しても応力プロファイルを説明することはできず、新しく非局所的な構成則を導入する必要があることを見出しました。また、非局所性の範囲を示す相関長とジャミング転移の関係も明らかにしており、今後、ソフト粒子系の様々な流れに対して非局所的レオロジーの枠組みが応用されると期待されます。
図:分子動力学法によるソフト粒子のコルモゴロフ流の再現

参考

PAGE TOP