【国際関係学部】大使が語る地中海に浮かぶ美しい島国、マルタ共和国と日本との意外なつながりとは?
2023.12.08

11月16日(木)4時限目、「国際経営論Ⅱ」(担当:植原 行洋教授)の授業の一環として、「駐日マルタ共和国大使講演会」が行われました。アンドレ・スピテリ大使にお越しいただき、マルタ共和国と日本の二国間関係とその歴史、政治や経済、ビジネスについてご講演いただきました。
(学生ライター 国際関係学部4年次 竹本 逸美)


1965年に外交関係を樹立して以来、政治的に友好な関係を築き続けているマルタ共和国と日本ですが、日本にマルタ共和国大使館ができたのは2020年でした。2017年の故安倍元首相によるマルタ共和国訪問と翌年2018年のマルタ共和国首相の訪日、この2つが大きな契機となり駐日マルタ共和国大使館の設置に至りました。今回お越しいただいたスピテリ大使は日本留学の経験が豊富であったこともあり、初代の大使になられました。2023~2024年は国際連合安全保障理事会の非常任理事国をマルタと日本は務める縁にあります。大使は両国の関係を国連総会や安全保障理事会で同じ意思を示す「minded countries(同志国)」であると述べられました。
また、経済関係についてもお話がありました。マルタ共和国の日本へ主な輸出品目は本マグロ、日本からマルタ共和国には自動車や半導体等電子部品が輸出されています。本マグロにとどまらず、ワインやチーズ、はちみつや豚肉などを輸出し、マルタ共和国でも人気の和牛や日本酒を輸入することで多様な貿易をしていきたいと将来の展望も述べられました。


ロシアのウクライナ侵攻についてもEUの一員としてウクライナを支援する姿勢を示しており、先月にはウクライナ提唱の和平案についての協議をマルタ共和国で開催しました。侵攻によりマルタ共和国内にも物価高や難民受け入れといった影響が出ており、早期終結を願っていると話されました。
スピテリ大使は、2002年に留学生として来日した当時と大使として働く現在を比べ、多くの関心を集めるマルタ共和国に対し大使としてのやりがいを感じると述べられ、これからも良好な政治や経済、文化関係を日本と築くためベストを尽くすと笑顔で語られました。

講演の最後にスピテリ大使は
- 日本の外へ飛び出して、異文化の中に暮らし学ぶこと
- 石の上にも三年、諦めないこと
- 初心を忘れずに学び続けること
- 自分を高めて改善していくこと
- 怖がらずに新しいことに挑戦すること

笑顔でお話しされるスピテリ大使の姿が印象的だった講演からは、日本との意外な共通点やつながりを知ることができ、これからの両国関係が今後の国際社会にもたらす可能性を感じることができました。
