【国際関係学部】ニュース解説ワークショップを開催 テーマは「ガザ情勢に何をみるか?」

2023.11.30

「国際関係学部教員によるNews解説ワークショップ」は、国際関係学部の教員がタイムリーなニュースを学生に解説する国際関係学部独自の取り組みです。今回は、『ガザ情勢に何をみるか?』というテーマのもと、北澤教授に、パレスチナとイスラエルの関係性やガザ情勢に至った経緯について解説していただきました。

(学生ライター 国際関係学部4年次 佐藤 美宇)


はじめに、ガザ地区、パレスチナ、ハマス、イスラエルに関する基本情報について教えていただきました。ガザ地区とは、パレスチナ暫定自治区の一部で、地中海に面している以外はイスラエルとエジプトに囲まれています。パレスチナとイスラエルは、長年領土争いを繰り返しており、現在はイスラエル国家のなかにパレスチナ暫定自治区が設定されました。現イスラエル政権であるネタニヤフ首相は、対パレスチナ強硬派を固めています。パレスチナもイスラエルと同様に、敵対心がありますが、経済的にはイスラエルに依存している現状です。ハマスは、ガザ地区のみを実効支配するイスラーム主義組織であり、イスラエルの存在やパレスチナの政治に批判的な姿勢をとっています。彼らの関係性は、地理的にも歴史的にも非常に複雑ですが、今回の騒動は、「イスラエルからの解放運動、エルドアン大統領率いる自治区との区別」を目標としたハマス側からの攻撃から始まりました。
今回のNews解説のテーマを説明する吉川准教授(右)と、講演を行う北澤教授(左)
次に、ガザ情勢の経緯について、今回の騒動が初めてではないことを教えていただきました。2008年以降、イスラエルのガザ攻撃の悲惨さが、度々メディアにも取り上げられており、2014年には、ハマスに反撃するイスラエルの攻撃でガザの人道的危機が注目されるようになったそうです。イスラエル政府に対して批判的な姿勢を持っているハマスですが、2006年のパレスチナ自治選挙において、過半数を獲得・勝利し実権を握りました。しかし、ハマス政権を国際社会は受け入れず援助を停止し、政権は苦境に陥りました。その後、ライバルのファタハとのパレスチナの主導権争いの結果、ハマスがガザを実効支配し、ファタハが西岸を支配するという分断状況が生じました。そしてガザはイスラエルによる厳しい監視下に置かれ、イスラエルとの衝突が続くようになったのです。このように、以前から争いが絶えないハマスが今回攻撃を仕掛けた理由は、「イスラエルのガザ方位政策に耐えられなくなった」「サウジアラビアによるイスラエルの接近」「国際社会からの放置への危機感」が関係していると教えていただきました。
解説を行う北澤教授
北澤先生の解説は非常に分かりやすく、急速に進むガザ情勢の実情を一つずつ丁寧に説明してくださいました。また、知識を教えるだけでなく、「今は、現地の声に傾けること、即時停戦の世論を形成することが求められている。」と、学生である私たちができることを話されました。ニュースを見ると自分の無力感に苛まれてしまいますが、私たちにもできるアクションがあることを学びました。
ワークショップの様子
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