【国際関係学部】「国際ビジネス論Ⅰ」でマザーハウスの月原氏を招き「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念と商品開発について学びました
2023.06.22

国際関係学部の国際ビジネス論Ⅰ(担当:植原教授)で、ゲスト講師として株式会社マザーハウスの月原氏をお招きしました。カンボジア・ラオス・ベトナムにおいて「マザーハウスの理念に即した商品を新規に立ち上げ、日本の販売戦略を構築せよ」というテーマのもと、開発途上国、お客様といかにつながり、価値を提供するのか、国際関係を学ぶ上でビジネスとしてどのように繋がるべきなのかご講演いただきました。
(学生ライター 国際関係学部4年次 山口 和華)
授業は二つのセッションで構成され、第一セッションでは国際ビジネス論Ⅰを受講する3グループの学生が月原氏に対し、各12分間カンボジア・ラオス・ベトナムの商材を活かしたマザーハウスで販売するための商品提案を行い、月原氏や植原教授からフィードバックをいただきました。売り上げ見込みなどの数字の見方やプレゼンにおける論理的な構成方法など、実際に働かれている方だからこそのご指摘をいただき、学生にとって勉強になる場となりました。



第二セッションでは、月原氏からマザーハウスの創業の原点であり、新たに始まったマザーハウスの「食の取り組み」についてお話しいただきました。マザーハウスのCEO 山口絵理子氏が開発途上国を視察した際に大量生産、低賃金労働に衝撃を受け、労働搾取される途上国の産業の闇を問題視しました。そうした背景から、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」というマザーハウスの発足理念を立ち上げました。現在は、バングラデシュを含む9か国に製販体制が整っており、生産から販売までの全ての工程を内製化し、プロセス全てに責任を持ち労働環境に透明性を担保しています。講演では、マザーハウスがこれまで行なってきた商品開発の事例がいくつか紹介されました。共通する点は、開発途上国が抱える様々な問題を共に解決しようとし、その国々の文化的価値を、商品を介して消費者に提供しようとしている点でした。マザーハウスでは販売店舗のスタッフを「ストーリーテラー」と呼び、商品の背景にあるストーリーを通して「お客さんと繋がる、途上国と繋がる」ことを最も大切にしている企業であることが伝わってきました。

月原氏の「社会の問題と自分の強みと弱みを掛け合わせ、協力することで価値が生まれる」という最後のお言葉が非常に強く心に残っており、何事も1人でなく仲間と協働することで大きなことを成し遂げられるのだということを実感しました。今後、世界の多岐に渡る問題への意識は忘れず、いかなる時も当事者意識を持つことを日頃から心がけることが重要であり、社会に出てからも新たな価値を仲間と協働して生み出していきたいと感じた貴重な時間でした。
国際関係学部の授業では、外交、ビジネス、国際協力の現場で活躍する実務家を招き、世界の最前線の知識や実情を学びます。
他にもさまざまなゲストスピーカーによる講演会を開催しています!