【国際関係学部】学部の学びを超えて活躍する4年次 スワロー 茉柚クレアさんを取材しました!

2023.06.02

1. 国際関係に興味を持ったきっかけ

私は中学・高校時代をオーストラリアで過ごしました。自然に囲まれて暮らしていくうちに、今まで気にも止めていなかった環境問題やさまざまな社会問題に興味を持つようになり、ハイスクール卒業を機に日本に帰国して、高校に通い直すと考えた際に、「社会問題について学べる高校に行きたい」と思い、京都外大西高等学校の国際文化コースを選びました。

高校3年生の時の関西高校模擬国連大会出場に向けて、社会問題についてのエッセイや議論に取り組むにつれて、大学では国際関係について学んで、将来的に社会問題に貢献して世界を変える人材になりたいと思ったのがきっかけでした。

オーストラリアの実家の庭から撮った夕焼け

2. 最近、注力した取り組みは何ですか?

ヨーロッパで取り組んだ環境問題に関する研究です!私は「環境問題についてのポスターなどのOOH(out of home)Advertisingは人々が持つ環境意識に影響を与えているのか」について研究するために、「行ってみチャレンジ!」という海外渡航体験計画を支援する学外の制度を利用し、今年2023年の2月から3月の約1カ月間イタリア、ドイツ、日本を対象に調査を行いました。

企業訪問をすることはできませんでしたが、現地の人々や学生の方々にインタビューを行ったり、街中の広告を記録して調査を進めることができました。

イタリアのキャンパスのアンケート調査を手伝ってくれた現地の学生のAlbertoくん
ベルリンを案内してくれた友達のBenitとHanna

3. その取り組みに参加したきっかけ・動機

私がこの制度について知ったきっかけは大学の授業でした。学生生活最後に自分が一番関心を持っている環境問題について自主的に何かしたいと強く思い、応募しようと決意しました。

私はInstgramで主に社会問題についての投稿の作成や、イベントに参加するYouthRockという団体で活動しています。この団体を通して発信をしていく中で、「私たちがしていることは本当に意味があることなのか」とふと疑問に思い、不安になることが多々ありました。
そこで、「なぜ日本はヨーロッパの国々よりエコ意識が低いのか」と考えた時に、 InstagramなどのSNSを利用したオンラインメディアや、街中や駅のホームで見るグリーン広告が、人々の環境意識に本当に影響を与えているのかについて調べてみたいと思ったのがきっかけです。

行ってみ!チャレンジの調査でイタリアとドイツを選んだ理由は、ウォータースタンド株式会社がG7各国700人を対象に実施した調査、「環境問題に関心がある割合」のデータが本当に正しいのかを研究するにあたって、7カ国を全て比べるのではなく、割合が一番高いイタリア、中央値のドイツ、そして一番低い日本を厳選して調査する方が、数値化した際に結果が分かりやすいと思ったからです。

イタリアのBocconi Universityの図書館の写真。SDGs17の目標ごとに本棚がカテゴリー分けされていた。
イタリアの大学キャンパス内のゴミ箱。

4. 参加して、プラス(成長)につながったこと、気付きは?

ありきたりな答えになってしまいますが、まず一つ目は行動力だと思います。
今回応募するにあたって、自分の中で実際に何について研究したいか100%明確ではなかった上に、自分のアイデアに自信がなく、「どうせ応募しても受からないだろう」と思い、応募するのを諦めようと思った瞬間がありました。ですが、「当選するか落選するかは、やってみないと分からない。とりあえず行動に移そう」と思い切って応募することを決意しました。

私の今までの人生を振り返ってみると、深く考えずに行動していることが多かったかなと感じます。日本に姉と2人だけで帰国したことや、高校の模擬国連で議長を担当したことや、チャレンジしてみたいと感じたことには貧欲に挑戦するようにしてきました。
「準備ができていない」や、「自信がないから」の理由でせっかくの良いチャンスを逃してしまうのはもったいない。やりたいことやアイデアがあるのなら行動する。「とにかく行動してみること」の大切さに改めて気付かされました。

二つ目は起こった出来事を全てそのまま受け入れることです。
イタリアに到着した始めの2、3日は、環境問題に関する広告を一つも見つけることができず、「良い結果を残せないのじゃないか」と不安になることもありました。
それ以外も、宿泊先でトラブルが発生し、その日、急遽、新しい宿を探すことになったり、空港でストライキが起こり、15時間電車に乗って国をまたぐことになったり、クレジットカードが急に使えなくなったりと、数えきれないほどの予想外の出来事が次々と起こりました。
ですが、これらの出来事があったことにより自分の根気強さを試すことができ、その場でどれくらい落ち着いて行動できるのか冷静に物事を判断する力も身に付けられた気がします。

イタリアからドイツに15時間かけて電車で向かっている時

5. 国際問題を考える上で、普段から心掛けていることはなんですか?

「自分にできることは何か」を常に考えて生活することです。
小さな行動も、少しずつ積み重ねればいつかは大きな事に繋がると思って行動するように心掛けています。
例えば、環境問題ではエコバッグを持ち歩いたり、ペットボトルはなるべく買わず、水筒を持ち歩くようにすることや、ストロー、お箸は洗って使えるものを持ち歩くようにしています。

もう一つは、国際問題における情報やニュースなど、ネットに記載されている内容を全て鵜呑みにしないことです。インターネットの情報は全て正しいとは限りません。私は必ず複数の情報源を調べることと、情報源そのものを確認するように心掛けています。

イタリアのスーパーの棚に並ぶ無添加オーガニック商品
ベルリンのカフェで飲んだアイスコーヒー

6. 今の活動を通して、今後の抱負、また将来に繋がること・繋げたいことは?

行ってみ!チャレンジを通して、英語を公用語としていない国々に一人で訪れ、不安を抱えながら宿泊先から交通手段など、全てを自分自身の力でやり遂げたことにより、今まで持ったことのない自信が身に付きました。
また、予想外な出来事に遭遇し、計画通りにプランが進まなかった時に落ち着いて冷静に判断する力や、新しい道を考え直す力など、何事にもポジティブな思考で取り組める力が身につきました。
その経験がこの先、私が目指す環境問題に関わる職や活動に、どう活かせられるのかが課題となりますが、どんな職に就いたとしてもこの先も自身を高めていくつもりです。

今回の研究では、社会問題について、メディアを通して伝える事に意味があると、結果として知ることが出来ました。
これから先も日本社会に感じる『違和感』に関して、積極的に声を上げていきたいと思います。

5月27日の「市内を中心に使用済衣服を回収し、再利用の輪を広げる」トークイベントに登壇した時の様子(右から2番目)

7. 国際関係を学ぶ学生(興味を持っている高校生)の皆さんへ一言

学生生活をどう過ごすかは自分次第です。4年間アルバイトに没頭して大学生を堪能するのもありですし、長期留学を目指して英語の勉強に励むのもいいと思います。
ただ、何もしないで卒業だけはしてほしくない!大学の4年間は人生で一番自由で時間に余裕があるので、本当に何でもチャレンジできる貴重な期間だと私は思います。若いうちに、たくさん時間がある時に、チャンスを自分で掴みに行ってください!
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