【国際関係学部】学部の学びを超えて活躍する4年次 佐藤美宇さんを取材しました!

2023.05.10

1. 国際関係に興味を持ったきっかけ

高校2年生の時に、カンボジア・スタディツアーに参加したことがきっかけです。ツアーでは、都市部と郊外の両方を訪問し、その格差に驚きました。その時に、NPOの方が地雷被害者の方に対して自ら生計を立てられる様な仕組みを作って、その仕組みを使って支援をしている現場を見学して、将来は国際支援に携わりたいと考えるようになりました。帰国後、貧困問題を解決する方法を学びたいと思って、国際関係学部を志望しました。

2. 最近、注力した取り組みは何ですか?

一般社団法人一枝会が主催する「行ってみ!チャレンジ」に採択していただき、3週間のドイツ渡航に挑戦しました。「ドイツにおける食肉業とビーガンの両立に関する調査」をテーマに、現地の方へインタビューをしたり、見本市に参加しました。
ビーガンの食べ物

3. その取り組みに参加したきっかけ・動機

ビーガンにとって、ベルリンがヨーロッパの中で、最も住みやすい都市というウェブサイトを見たからです。ドイツといえば、ソーセージやグミなど動物性食品が有名なイメージがあったので、ビーガンの人が住みやすい街という結果は意外でした。なぜドイツでビーガンが受け入れられているのか、食肉業に影響はないのかといった疑問を、実際に自分の目で確かめたいと思い、応募しました。
また、海外ではどれくらいビーガンのメニューが普及しているのかが気になったことも理由の一つです。私自身、ビーガンである友人とご飯に行った時、レストランを探すことに苦労しました。その時に、海外では、日本ほどビーガンであることに困らないと教えてもらったため、どのようにビーガンが浸透しているのか知りたくなりました。

4. 参加して、プラス(成長)につながったこと、気づきは?

学んだことは沢山ありますが、ドイツの環境、動物福祉、健康に対する取り組みと充実したビーガン商品が印象に残っています。
ビーガンになる主な理由は、環境、動物福祉、健康に関係しているといわれています。ドイツでは、街を歩いているだけでそれぞれの意識向上につながる取り組みを見つけることができました。例えば、大学の食堂メニューに、栄養スコアやCO2排出量のマークがついており、自分たちの食事が地球にどのような影響を及ぼすかを考えながら選ぶことができました。また、鉄道模型博物館に豚の飼育環境に関する模型が飾られていたり、スーパーマーケットでは、企業が動物福祉に取り組んでいることが分かるマークがありました。このように、日常生活でその問題について触れられる取組が、ドイツ人の意識向上やビーガンの受け入れに繋がっていると思いました。

また、レストランやスーパーマーケットに行くと、必ずビーガン対応食品がありました。何度かビーガンのご飯を食べましたが、予想以上に美味しかったです。サラダなど質素な食事をイメージしていたので、おしゃれな見た目に驚きました。種類の多さだけでなく、商品のクオリティの高さも、ベルリンがビーガンにとって最も住みやすい街という評価に繋がっていると思いました。
一方で、ベジタリアンのマークとビーガンのマークが似ている点や政府の認証なしでマークを付けることができるからビーガンである確証がないというお話をお聞きして、改善点もあることが分かりました。

自分自身にとってプラスになったことは、3週間を通して、少しだけ強くなったように感じます。一人で過ごすことが寂しくなったり、見本市でインタビューしても取り合ってもらえなかったりとへこたれそうな時もありました。しかし、諦めることなく、どうすれば質問に対応してもらえるか考えながら行動することができました。先生方をはじめ、既に渡航していた先輩や友人、現地でインタビューに協力してくださった方など色んな人に助けていただいていたため、なんとかして成果を持ち帰りたいという想いが行動につながり、自分自身を強くできたと思います。

左:ビーガン、右:ベジタリアンのマーク
お肉がどのような環境で育ったかを表すラベル(左中)
数値が高いほど動物にやさしい農場とのこと
豚の飼育環境模型
豚の飼育環境について展示されているスペース(ハンブルク鉄道博物館)

5. 国際問題を考える上で、普段から心がけていることはなんですか?

周りの意見に流されないことです。授業でディスカッションをしていると、みんなの発言力や説得性がすごくて、周りの意見が正しく見えてしまうことがあります。しかし、国際関係に正解はないため、あまり意見に惑わされず、根拠に基づいた自分の考えを持つことを忘れないようにしています。

6. 今の活動をとおして、今後の抱負、また将来に繋がること・繋げたいことは?

2つあります。
1つ目は、卒論でビーガンに関することを書くことです。現地調査に行って、これで終わりにするのではなく、別のことに活用したいという気持ちが強くなりました。まだ具体的なテーマは決まっていませんが、何とかしてビーガンに触れられるといいなと思っています。
2つ目は、自分の食生活を見直すことです。動物福祉の展示やインタビューを通して、いろいろと考えさせられました。野菜を多く食べる、買うお肉の環境について考えるなど、ビーガンになれなくても、食生活を気にしていける人になりたいです。

将来的には、プラントベースフード事業に取り組む企業に就職したいと考えています。ドイツで、日本でも、食の多様性を広めたいと思うようになりました。すぐには無理でも、いずれそのような仕事に携わってみたいです。

ひよこ屑殺の撲滅に取り組んでいる企業(ベルリンの展示会にて)
実際にスーパーで販売されている卵(黄色のハートがその企業の関わっている目印)
プラントベースのカップケーキ(ベルリンの展示会にて)

7. 国際関係を学ぶ学生(興味を持っている高校生)のみなさんへ一言

色んなことに興味を持つこと、気になったことは調べる、やってみることが、大事だと思います。国際関係は、調べれば調べるほど面白くて楽しいです。そして、本学の国際関係学部には、勉強の楽しさを一緒に共有できる仲間や更なる面白さを導いてくれる先生方がいます。私は、本学の国際関係学部を選んで良かったと心の底から思っています。刺激的な4年間を過ごしたい方は、ぜひ京都産業大学の国際関係学部に入学してほしいです!
ドイツ渡航時の佐藤さん
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