【国際関係学部】ドイツ/ケルン大学への留学を終えた3年次 吉野 百香さんを取材しました!

2023.03.31

学部の授業以外にも活躍の場を求めて積極的に取り組む学生を紹介する本企画。

今回は、ドイツのケルン大学への交換留学を終えた、国際関係学部3年次 吉野 百香さんに話を聞きました。

国際関係学部3年次 吉野 百香さん

なぜ留学先にケルン大学を選びましたか?

留学先を決める軸は、”森林マネジメント”(林業が発達し持続可能な森林リサイクルを実行している国であること)でした。子どもの頃から海よりも山派で、木に囲まれた空間に居ると落ち着くことから、森林問題、環境問題に興味を抱くようになりました。しかし日本の森林保護事情を調べてみると、管理が行き届かず、放置されている所が多くあるという課題を知り、海外で上手くマネジメントしている国がないのか気になるようになりました。このような私の軸に当てはまった国がドイツでした。ドイツの森は国家資格のもと適切に管理されています。また文化として週末には森に出かけ自然に触れる習慣があり、気候や文化は違えど何か学べるものがあると思い、最終的にドイツを選択しました。

留学期間のスケジュールを教えてください

2022年3月 入寮・プレセメスター開始
4月4日~7月15日 Summer Semester
10月10日~2023年2月3日 Winter Semester
夏学期と冬学期の2学期制。授業時間は90分で、1週間に1回のペースで15週あります。セメスター終了後の約1カ月後に試験がありますが、私が受講したプログラムは最終週の授業でテストが終わりました。 

留学先で履修した授業科目や授業の様子を教えてください

私は1年間の留学をしました。前半は主に留学生が受講する授業を履修し、後半は現地の学生が主に受講する授業を選択しました。授業の内容は、EU経済、スポーツを通して見る政治的動向など様々で、一人20分ほどのプレゼンテーションやレポートの提出があります。

特に苦労したことは、予習の多さです。日本の授業スタイルとは異なり、事前に先生から課題図書が示され、その内容について自分なりの意見を授業内でスピーチします。毎週大量の文献であり、内容も難しいことから最後まで苦労しました。しかし、最終的に英語力が伸びたことはもちろん、国際関係学的にも視野は広がったと実感しています。
オランダ花博2022(アルメーレ国際園芸博覧会)にて

留学してから始めたこと(チャレンジしていること)はありますか?

新たにドイツ語を学び始めました。英語が苦手でテストの点数はいつも低く、私は人よりも他言語を習得することが苦手だと感じていました。しかし現地で知り合ったドイツ人にドイツ語を教えてもらうようお願いして学習した結果、ドイツ人も驚くほど早くドイツ語を習得することができました。しかし、私が一番チャレンジして良かったと思えたことは、そのドイツ人と仲良くなりホームステイをする機会を得られたことです。何度か一緒に料理したり食事をしたり、また本場のクリスマスをドイツの家庭で過ごせたことはドイツの文化を一番理解できた瞬間でもありました。このチャレンジは予期していないことが学べた貴重な経験です。
大聖堂前のクリスマスマーケット
友達とのクリスマスクッキー作り

留学生活で心に残っているエピソードを教えてください

ケルンのカーニバルを見に行ったことです。11月から2月までの期間に開催されるケルンのカーニバルは国内外で有名で、スタート日の11月11日には、街中で仮装した人をちらほら見かけます。そして、2月のカーニバル週間は約9割の人が仮装をしてパレードに参加します。(記事によると)このパレードで300トンのお菓子が街中にばらまかれたそうです。私もそこでハリボーなどの一般的なお菓子から限定ものまで大量のドイツ菓子をゲットしました。たまにバッグやブランケットもばらまかれ、キッズパレードで、可愛い女の子が直接ブランケットをくれた時はとても嬉しかったです。

カーニバルのパレード(Rosenmontag)
カーニバルでゲットしたお菓子

今後の抱負を教えてください

帰国後1年以内に独検1級を取得することです。今後ドイツの森林マネジメントをより深く学んでいくには、相手の言語で会話することが重要だと気付きました。彼らとの関係性を築いていくためにドイツの言語や文化に触れ、自らをドイツ人化していく予定です。

また、当初目的としていた森林マネジメントについてお話を伺うための調整をしたものの、お話を伺うことができませんでした。しかし、実際ドイツで生活して環境保護に対する意識の違いを学びました。日本では環境問題に取り組む理由にSDGsやESG投資をあげます。それは国連が提示し、国が企業等に取り組むように促しているから、一般市民もそういった活動を通して環境問題に対処する理由だと理解してきました。しかし、環境問題に先進的に取り組むドイツは全く異なります。まずドイツ人は昔から趣味にハイキングや山に出かけことが多く、週末にはハイキングの装備をした姿の人がよく見られます。また山もハイキングやサイクリングができるようにほとんどの山が整備されています。しかし現状としてそのような趣味が環境問題によって脅かされているというのが環境問題に取り組む理由だと学びました。そのため私も今後日本で環境保護を主張する際に、私たちの身の回りの環境が脅かされているという観点から発信していこうと思いました。また日本では“SDGsウォッシュ”からESG投資が機能しなくなってきました。こういった課題からも日本での環境保護に対する意識改革が重要だと気付きました。

これから留学を考えている皆さんへメッセージ、アドバイスをお願いします!

何事にも代えがたい経験が留学だと思います。
就活前で今後の進路、人生を決める大学生だからこそ、外の世界に触れ知見を増やすべきだと思います。もちろん、合う合わないがあり、留学先の国が最高ではありません。実際に留学を始めてすぐに自分は日本が合っていることに気付き、早く帰国したがっている学生もいました。しかし、その学生も留学したからこそ自分には日本が合っていると気付けたのであって、日本にずっと住んでいたらそもそも気付かなかったと思います。
私自身、ドイツや欧州を経済指数や政治情勢からではなく、共に生活することで市民レベルから学ぶ大切さを実感しました。

今、留学に必要な試験のために勉強に追われ、英語が嫌になっている方もいるかもしれません。しかし最初に述べたように、何事にも代えがたい経験がその先には待っています。ぜひ自分の体でその経験を体感してください。

ハルツ山地の山麓に位置する町、ターレにて
PAGE TOP