【文化学部】京都の街を多様なまなざしからとらえ、学びを深めよう!!~京都文化フィールド演習(中野教授)報告~

2023.07.24

文化学部専門教育科目「京都文化フィールド演習N」(担当:中野 宏幸教授)は、1年次生を対象に、京都の歴史や伝統文化はもとより、地域の産業や生活、人の流れやインフラの機能、地域を支える仕組みなど、自分で実際に見て、聞いて感じとり、「京都」への理解を深める授業です。春学期の演習では、清水・東山・岡崎地区を中心に、京都の寺社や工芸ゆかりの地への訪問、街の探索や街歩きのガイド活動への参加、行政・企業とのワークショップを通じて地域に接し、これからの観光・交流や地域づくりの取り組みを考えました。
建仁寺を訪問!中央は同寺の浅野氏、左端は東山区役所の河上氏
4月22日、初めに訪問したのは、清水寺です。清水寺学芸員の坂井 輝久氏より、寺の由来や宗旨、長い年月を経た寺の佇まい、訪れて感じる四季の美しさについて話を伺いました。清水・東山地区では、6月10日、東山区役所地域力推進室の河上 幸夫氏や街づくりアドバイザーの加藤 ゆうこ氏とともに、六波羅蜜寺や六道珍皇寺を訪れました。五条坂にある旧藤平登り窯では、京焼・清水焼の歴史と登り窯の果たしてきた役割について学びました。建仁寺では広報部長の浅野 俊道氏から、歴史を紐解きながら、連綿と築き上げられてきている文化空間としての寺の姿について講話いただきました。
街づくりとの面では、5月13日、岡崎公園や南禅寺などの岡崎地区の街歩きを通じ、平安時代からの街の移り変わりに接し、4月29日に五条地区では、明治時代以降の街の変遷を実地に見ていきました。
また京都を支える社会インフラとの面では、6月24日に京都駅で、西日本旅客鉄道株式会社で活躍されている本学卒業生から、京都駅の歴史や役割、国内外の旅行者への応接の考え方と合わせ、大学での学びの経験談などの説明をいただき、キャリア形成の観点からも視野を拡げました。
清水寺にて説明を聞く学生
南禅寺にて説明を聞く学生
京都駅で学ぶ学生
近畿運輸局とのワークショップ
この演習の中では、2025年に開催される大阪・関西万博も視野に入れ、7月7日には国土交通省近畿運輸局とのワークショップを実施し、近畿圏の広域的な観光政策を学びました。岡崎地区では、増加しているインバウンド旅行者への応接の視点から、京都市認定通訳ガイドの方より、外国人の方々がどのようなことに関心を持っているのか、どのような目線に立って英語のガイド活動をしているのか説明いただき、学びを深めました。
五条界隈を探索する学生
東山の旧藤平窯にて

京都の街の息遣いに接しながら、これからの時代を見据えた持続可能な都市や交流のあり方について関心を深めてほしいと思います。学生からは、次のような感想がありました。

~フィールド演習についての学生からの感想~

  • 京都の古き良き歴史、伝統を後世まで残していくため、自分でも伝えられるようになればいいなと思った。
  • 歴史のある古い街というだけではなく、新しいものを取り込みながら歴史保全しつつ進化し続ける街であると気付いた。
  • 京都駅で働いている方々がみんな優しくて温かくて、観光客のことを何よりも一番に考えていて素敵だった。
  • 環境にかかわる問題に気付き、住民の方々が安心して生活でき、ずっと住み続けたいと思えるような状態を保つ必要があると感じた。
  • 普段聞くことができない貴重なお話を聞くことができた。学んだことを生かし、いろいろ調べたり、まだ行ったことのない場所にも訪れてみようと思った。 
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