【文化学部】自然とともにある地域の姿とは?「赤紫蘇摘み」の体験から学ぼう!

2023.07.18

文化学部専門教育科目の「観光文化演習ⅠA (担当:中野 宏幸教授)」では、7月8日、大原で赤紫蘇摘み体験と歴史文化を学ぶフィールドワークを行いました。本ゼミでは地元と連携して、大原で継続的に演習を行い、地域で大切に守り続けている文化的価値やその魅力の継承のあり方について考えています。
四方を山に囲まれた盆地に位置する大原は、のどかな田園風景や山間に谷水を集めて流れる高野川など、自然の美しさをたたえる山里です。大原の赤紫蘇は、伝統漬物「しば漬」に欠かすことのできない食材として、長い歴史を経て大原で受け継がれています。学生たちは、大原の佇まいに触れながら、赤紫蘇の歴史や地域の取組への学びを深めました。
赤紫蘇の畑にて(左端:辻会長)
まず大原観光保勝会会長の辻 美正氏から「大原の特徴と赤紫蘇の歴史的価値」についてお話を伺いました。赤紫蘇を原料とする大原の「しば漬」は、大原の里人が寂光院に隠棲されていた建礼門院へ献上した際に「紫葉漬(しばづけ)」と命名されたことに由来しています。赤紫蘇は青紫蘇などの他の紫蘇科の植物と交配しやすい特徴をもっていますが、大原の赤紫蘇は最も原種に近いとされています。大原では毎年自家採種を行い、大原の赤紫蘇を伝えていくための努力を重ねており、それが良質な赤紫蘇を守り、800年の歴史を持つ大原のしば漬を支えているとのことです。
その後、学生達は、畑に出て、辻氏のご指導のもと、赤紫蘇を収穫しました。
刈り取った赤紫蘇は、それぞれ「わいわい朝市」の会場に運び、腰を入れて水洗いの作業をひとりひとり実地で学びました。次は、葉をもぐ作業です。慣れない手つきで、協力して進めました。
また、赤紫蘇を使用したジュースの作り方を学びました。赤紫蘇の葉は水に入れて火をかけ、混ぜながら煮出し、沸騰後、クエン酸を加えます。濃い紫色であった液体は、一気に美しいルビー色に変化し、その瞬間、学生から拍手と大きな歓声が上がりました。その場で、深みのある香りと芳醇な味わいのジュースをいただきました。
昼食で大原の野菜の美味しさを実感
辻会長のお話を熱心に聞く学生
赤紫蘇の水洗いを教わりました
ルビー色に変わった瞬間に拍手!
当日は、三千院を訪問し、往生極楽院では、大原の歴史文化や仏像について、説明をいただきました。境内では、地元の方のご案内を受け、あじさい苑で開催されていた「あじさい祭り」で青や紫の紫陽花を楽しみました。学生たちからは「大原の方との実際に交流を通して、人々の温かさと大原の野菜や赤紫蘇の美味しさにふれることができた」「大原の魅力をたくさん感じることができ、もっと学んでみたい」「実際に自分の目で見ないとわからないことがたくさんあり、自ら行動を起こすことがとても大切と感じた」などの声が聞かれました。
地域の姿を体感しながら、持続可能性との視点から、これからの地域と交流のあり方を考えてほしいと思います。
三千院の御殿門にて
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