【文化学部】歴史文化やエリアの発展を大切にするホテルのコンセプトを学びました!!

2023.06.09

ホテルは、どのようにブランド価値を創造しているのでしょうか。多くのホテルが立地し、さらに増えている京都では、どのような考え方でコンセプトを創出しているのでしょうか。文化学部京都文化学科 中野 宏幸教授の「観光文化基礎演習A(2年次生)」では、5月28日、訪日外国人旅行者や修学旅行生が増えている東山に立地する「ザ・ホテル青龍 京都清水」を訪問し、総支配人の広瀬 康則氏及びセールス&マーケティング部ディレクターの清野 了平氏より、ホテルの業務やブランド戦略の考え方を学びました。
右から1番目 総支配人の広瀬 康則氏、3番目 セールス&マーケティング部マネジャーの大畑 作斗氏、左から1番目 同部スーパーバイザーの田中 悦子氏、4番目 同部ディレクターの清野 了平氏
ホテルのコンセプトは、「記憶を刻み、未来へつなぐ」です。141年にわたって地元に親しまれ、2011年3月に閉校した元清水小学校をコンバージョンし、2020年に開業しました。明治期からの歴史の変動の中で、地域とともに歩んできたストーリーを大切にし、ホテルの個性として発信しています。旧校舎の建物は「保存・活用」することを基本とし、先人たちの英知と経験を活かしながら、懐かしいまちづくりの考え方を発展させています。
ホテル内の見学
清野氏から経営戦略の講義を受ける学生
総支配人の広瀬 康則氏より、ホテルを巡る歴史と地域を基盤とする活動について、またセールス&マーケティング部ディレクターの清野 了平氏より、ホテルの「ブランドとは何か」の紹介とあわせ、ブランド価値の創出や発信の考え方について説明をいただきました。京都には、外資系や日系のラグジュアリーホテルが次々と進出していますが、地域の歴史や文化と密接な関わりをもちつつ、小学校であったホテルの特徴を明確にすることで、「ザ・ホテル青龍 京都清水」のブランドを確立しています。
八坂の塔を眺望できるホテルの一室
当時の小学校のダストシュート

学生からは、「接客といったホテルの業務だけではなく、広報や価格設定などの経営戦略といった面について知ることができ、非常に興味深く感じた」「ホテルという業態は裾野が広く、さまざまな職業と密接に関わっていることがわかった」「茶の湯文化に触れ、抹茶を点てる等の体験をするプラン等の取り組みについても幅広く知ることができた」という感想がありました。変化する交流・観光の状況への理解を深めつつ、地域とともに発展する考え方を創造してもらいたいと思います。

※)清水小学校の前身は1869年(明治2年)に、地元住民によって創設された学区制の番組小学校のうちの一つです。近代的な鉄筋コンクリート造りの建物は、1933年(昭和8年)、現在の地に移築建築されました。

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