【文化学部】都市インフラの多様な機能を学ぼう。琵琶湖疏水でフィールドワークを実施!!

2023.05.17

文化学部京都文化学科 中野 宏幸教授の「観光文化演習ⅠA(3年次生)」では、5月6日、琵琶湖疏水の歴史と役割を学ぶフィールドワークを行いました。琵琶湖疏水は、明治期に京都の産業振興を目指して行われた一大土木事業です。疏水は今も京都に琵琶湖の水を供給しており、水道用水のほか、発電・干害・防火など、都市活動の基盤として、多目的な利用がなされています。
今回は、琵琶湖疏水記念館の学芸員吉田 武弘氏のご案内により、琵琶湖疏水記念館からスタートし、蹴上インクライン、疏水分線、南禅寺水路閣などを見学、時代環境の変化に着眼し、社会インフラの意義や取り組み、交流や観光の動向を学びました。
琵琶湖疏水と京都市動物園を背景に
蹴上インクラインでは、物資を載せた船体を車台に載せて鉄道で運ぶ原理を学びました。広軌のレールには当時の製造情報が記載されており、学生は熱心に話を聞き、確認をしていました。
琵琶湖疏水は、第一疏水・第二疏水とあわせ、蹴上から白川方面に分岐する琵琶湖疏水分線などから構成されます。南禅寺水路閣では、京都市北部地域を結ぶネットワークや送水の仕組みを学びました。
疏水周辺には、当時の政府の有力者の扁額が掲げられています。インクラインと交錯するトンネル「ねじりまんぽ」は、トンネル内側の煉瓦をらせん状に積み合わせた明治時代の土木技術を語る遺産ですが、学生は、第3代京都府知事 北垣 国道の揮毫による「雄観奇想」(見事な眺めとすぐれた考え)の意味を学んでいました。
蹴上インクライン(傾斜鉄道)
琵琶湖疏水の分線(南禅寺付近)
琵琶湖疏水は、京都の経済や産業を発展させ、科学・工学発展の礎となっただけでなく、人々の生活文化の向上や交流の進展にも大きく貢献しています。1996(平成8)年に疏水関連施設は国の史跡に指定され、2020(令和2)年には、「京都と大津を繋ぐ希望の水路」として日本遺産に認定されています。四季折々の姿を楽しむことができ、当日も多くの外国人の方が訪れていました。
学生たちは、疏水の多様な姿に目を向け、これからの時代を見据えた持続可能な都市や交流のあり方について学びを深めました。
南禅寺水路閣(琵琶湖疏水の分線)
吉田氏の説明を受ける学生
PAGE TOP