【経済学部】洞察力と論理的思考力の競い合い!知的討論ゲーム「全学ゼミ対抗ディベート大会」開催!

2023.07.12

全学ゼミ対抗ディベート大会 開会式

全学部を対象とした「全学ゼミ対抗ディベート大会」を経済学部の主催で2012年から開催しており、第12回目となる大会が2023年7月5日(水)に、主として5号館2階5226・5227・5230演習室およびミーティングルーム1で開催されました。

ディベート大会は、全学部の3年次生で演習(ゼミ)に所属する学生を対象に、1チーム4~8人(最低3人)のチーム単位でエントリーを受け付けており、賛否の意見が分かれる社会的時事問題をテーマに肯定側または否定側に分かれチーム対抗で討論する機会を設けたものであり、ディベートを通じて問題の本質を見抜く力と論理的に説得する力を養うことを目的としています。

今年度のディベート大会には、経済学部から8ゼミ、24チーム、総勢116人の学生が参加しました。最初に、5号館3階5302教室へ全24チームが一堂に揃い、大会世話役の経済学部 塩津ゆりか教授の挨拶により開会式が行われた後、各チームは5号館2階5226・5227・5230演習室およびミーティングルーム1の対戦会場に分かれ、全12試合の熱い戦いを繰り広げました。

今大会の論題は、(1)「日本は全国的な空き家への課税をさらに強化すべき〔空き家への課税は現在、「特定空き家」に対して固定資産税が強化されています。国はこれをさらに強化すべき(「特定空き家」の範囲拡大や税額増加など)〕」、(2)「児童手当の所得制限を撤廃すべき」、(3)「日本の上場企業は新入社員の採用方法を新卒の一括採用からジョブ型採用に積極的に変更すべき」の3つで、近年の全国ニュース等で報じられているような話題性の高いものでした。

各対戦会場では、学生は肯定側・否定側にわかれ、1試合35分で行われます。
まず、両チームがそれぞれの立場に立って4分ずつ立論を述べます。次に、2分の作戦タイムをおいた後に、それぞれの立場から質疑応答を5分ずつ行い、また2分の作戦タイムをおいた後に、再度それぞれの立場から質疑応答を5分ずつ行います。そして、最終の作戦タイムを1分おいた後に、それぞれの立場から最終弁論を1分ずつ行い、票決へと進みます。
票決は、対戦を傍聴している学生が肯定側もしくは否定側の主張を公平な視点に基づき優位であった側に投票を行い、その得票数により勝敗を決します。

スライドを利用して立論する様子1
スライドを利用して立論する様子2
肯定側・否定側それぞれで質疑応答
大会に参加した各チームからは、それぞれが志望した論題の肯定側・否定側の視点に立って論題の本質を真剣に考え、チームの主張を根拠づけるため文献、情報やデータ等を収集・分析し、傍聴者を説得するために図や表を用いてわかりやすく説明するための入念な準備・練習を行ってきた様子がうかがわれました。
また、質疑応答の時間では、相手の意表を突く質問も見られた反面、想定内の質問であったのか,逆に質問者の意表を突く回答も見られました。この様にして、討論が白熱する場面も見られましたが、しかし、張り詰めた雰囲気の中での討論ではなく、お互いに相手側の主張を尊重し称え合いながら討論が進められました。
ディベートではチームの主張に説得力を持たせるためには論理的に説明することが必要であるとともに、相手側の主張の本質と弱点・問題点を見抜き、これを自身のチームの主張が有利になるように組み入れられることが必要になります。まさに、洞察力と論理的思考力の競い合いではないでしょうか。

票決では、各チームの立論・質疑応答・最終弁論を総合的に評価して優れていたかどうか、各チームの主張が整合的であったかどうか、各チームのプレゼンテーションに説得力があったかどうか、質疑応答ではどちらのチームが優位であったかどうか等により、勝敗の判定が行われていました。この結果、大差をつけて勝敗を決す対戦もあれば、僅差で勝敗を決す対戦もありました。対戦終了後の各チームからは、やり切ったことによる達成感とともに、勝利したことによる喜びや敗北したことによる悔しさの表情が見られました。
しかし、いずれの結果にせよ、大会当日まで準備してきた努力とディベート終了後の達成感は、大会参加者にしか味わうことができない貴重な経験だったのではないかと思います。

最後に、再び5号館3階5302教室へ全24チームが一堂に揃い、閉会式が行われました。閉会式では、主催者である加茂知幸経済学部長より、勝利者チームへの祝辞と共に、参加全学生へディベート大会当日まで入念に準備を進めてきたことの努力は称賛に値する旨のメッセージを述べられ、勝利チーム12チームには賞品の授与が、参加者全員に参加賞が提供されました。

閉会式で加茂経済学部長が挨拶
勝利チームへの賞品授与
個々人が考えられること、行えることには限界がありますが、チームで取り組むことにより個々人では考えつかなかったこと、行えなかったことができるようになります。更に、ディベートという形式を通して相手と対戦することにより、別の視点での考えを知ることができます。ディベート大会の醍醐味は、この形式をとることにより、個々人の知や学びを深められることにあると思います。
また、「全学ゼミ対抗ディベート大会」は全学部を対象としています。京都産業大学は、多種多様な学部がワンキャンパスに集う大学であり、他の学部もディベート大会に参加すれば、より異なる視点での考えを知ることができ、更に知や学びを深められるのではないでしょうか。
次年度は、より多くの学部からより多くのチームの参加があることを期待いたします。
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