【文化学部】彬子女王殿下ご担当の「京都文化フィールド演習」で学外実習を実施!

2022.09.30

文化学部京都文化学科では、専門教育科目として「京都文化フィールド演習」を開講しています。この科目は、京都の伝統行事や宗教神事の運営・参加、職人の工房・地場産業における現地実習、社寺・遺跡での実地踏査など、京都を舞台にさまざま実習を行う科目です。

このうち、彬子女王殿下のクラスでは「染織」「刺繍」を通して「色」を学んでいます。

9月9日の学外実習では、染色家の吉岡 更紗(よしおか さらさ)氏の工房を訪問。最初に工房を見学後、彬子女王殿下も一緒に茜染めによるスカーフの染色を体験。茜の産地により、染料の煮だす温度や発色が異なること、染めの色を定着させる工程について説明いただいた後、インド産の茜を使って染色をしました。学生たちは作業中に刻々と変化する天然素材による色の美しさに感銘を受けているようでした。
染色体験後には、染の原材料となる様々な植物の説明や日本への伝来、植物の持つ効能を活かした染色について説明いただきました。また、「日本の色」は海外で採れる植物から染色していること、緑色は植物から染料が取れないため、複数の植物を重ねて染めることなど説明いだきました。また、学生ひとり一人の質問に丁寧に答えられ、最後に草木染めの継承を含め、植物の持つ色の良さを伝えたいとのことでした。

石清水八幡宮の石清水祭に奉納する供花神饌についてご説明
染料となる茜を煮だす前
煮だした後
色止めとなるミョウバンについてご説明 
彬子女王殿下と共に茜染めを体験
綺麗に染め上がったスカーフをご覧になる彬子女王殿下
9月13日の学外実習では、京繍(きょうぬい)の長艸 敏明(ながくさ としあき)氏の巧房を訪問。はじめに長艸氏から日本刺繍が使われている作品の紹介や祇園祭の山鉾の装飾として使われている水引幕の修復作業の説明を受けながら刺繍作業を見学し、作業の繊細さや完成までの年月に驚いていました。実際に日本刺繍に挑戦する前に、日本刺繍の歴史や京繍の技法について説明を受けました。学生は、美しい絹糸を自身の感性で配色し、ひと針ずつ布に刺し、伝統工芸の奥深さと楽しさを体感し、出来上がった作品に満足している様子でした。
実習終了後は、学生ひとり一人から長艸氏に質問が出されると、ユーモアを交えて丁寧に答えられ、「学生時代に多様な経験や豊かな体験を積むことが大事である」との言葉もありました。
刺繍の刺し始め「たまどめ」に挑戦 
思う場所に針が刺せるか慎重に
集中して刺繍を進めます
絹糸が絡まないよう慎重に針を進めます
ユーモアを交え学生からの質問に答えていただく長艸氏
ご自身の体験を交えながら学生からの質問に答えていただく長艸氏
彬子女王殿下からのひとこと
今年は少人数であったこともあり、アットホームな雰囲気で、先生方に積極的に学生が質問している姿を見ることができました。吉岡先生、長艸先生共々、お忙しい中、あたたかく学生たちを迎えてくださり、真摯にご対応いただきましたことを、心より感謝しております。
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