【文化学部】「茶道」から学ぶおもてなしの心~「観光文化学PBL」の実践に向けて~

2022.07.04

文化学部専門教育科目「観光文化学PBL1」では、観光文化学の構築に寄与するための基礎的な力を身に付けるとともに、チームによる課題解決活動を通じて実社会で必要となる心構えや能力を身に付けています。6月22日(水)は京都での学びに相応しい美意識を涵養し、観光文化や自己に対する洞察を深めるために、京都市北区にある茶道速水流にて「茶道」を学びました。

茶道速水流は江戸時代後期に速水宗達によって創始された流派であり、現在は八代の宗燕(そうえん)氏が家元を務めています。茶道の作法や道具は流派によってそれぞれ異なりますが、速水流では千利休以前の茶道に基づく作法も多く、さらに帛(ふくさ)や小掛台(こかけだい)、畳紙(たとうし)にも速水流独自の特徴が見られます。

速水流の理念である「敬和静寂」には、他者を敬い、さらに自己の内面とも慎み深く向き合いながら、茶事を催して交歓するという心構えが表されています。和敬静寂という言葉を用いる茶道の流派もありますが、速水流では「敬う」という点に特に重きを置いているとのことです。宗燕氏からは自然をはじめとした様々なものに対する「畏敬(いけい)の念」や、茶道・武道などの「道」の捉え方、そして先祖に対する考え方などの日本人の歴史や価値観に関するお話を交えながら茶道についてのご説明をいただきました。

茶道体験ではまず正客の席に座った学生を例として、お菓子やお茶のいただき方、茶碗の拝見の仕方などについての説明を受けました。最初は慣れない空間での動作や初めての所作に戸惑う受講生も多く見受けられましたが、宗燕氏の軽妙な語り口やユーモア溢れたお話によって、受講生たちの表情も徐々に和らいでいきました。また、今回お点前を披露してくださった宗燕氏のお弟子さんが本学の卒業生ということもあり、受講生たちは社会で活躍する先輩の姿からも感銘を受けていました。そして、茶席におけるお菓子の意味や意匠性にも学びを得ながら、美味しいお菓子とお茶を堪能することができました。

体験を終えた受講生からは「茶筅を洗うことなど、茶道のひとつひとつの行いに意味があることが分かって、とても良い経験になった」「宗燕氏が仰っていたひとりひとりに道があるというお話が印象に残った。いつもとは違う落ち着きのようなものを学ぶことができて良かった」「他の授業で裏千家の茶道を学んでいるので、今回の授業に参加したことで裏千家との違いも学ぶことができた。『敬和静寂』の考え方を学んだことで心が落ち着いた」といった声が聞かれました。
茶碗の拝見
露地
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