【経済学部】イケダゼミの学生と留学生が京都特有の文化観光について体験調査をしました
2022.12.06
コロナ禍前から、京都はオーバーツーリズムによって、地域住民と観光客の双方に悪影響が及ぶという問題点が指摘されています。一方で、パンデミック時には京都の街から観光客がいなくなり、観光産業は、打撃を受けました。
こうした近年の目まぐるしい情勢変化を受けている京都の文化観光業の現状について調査しました。
まずは、「伝統」、「自然」、「芸術」、「健康」の4つのキーワードに分けて、大学近辺の上賀茂神社、貴船神社・鞍馬寺、西陣・大徳寺、今宮神社などを訪問し、地域資源をアピールする京都特有の文化観光を調査しました。
調査リポート
キーワード1「伝統」について
「伝統」では、次世代への風習、文化、技術の継承を調べました。
心と身体で京都の禅文化を経験できる大徳寺の「坐禅」や、何百年も続く「鞍馬の火祭り」等の伝統行事、歴史ある「あぶり餅」のような和菓子では、【人】が次世代への継承に重要な役割を果たしています。
キーワード2「自然」
「自然」について、日本でも有数のパワースポットであり、鳥や虫たちの鳴き声を聞きながら、様々な命が支えあって生きていることで幻想的な雰囲気を醸し出す神秘的な空間である貴船・鞍馬エリアを調べました。このエリアの神社仏閣が多くの観光客を魅了するものであるのは京都らしい風景と自然の融合によるものであり、同時に現状を荒らさないよう保護することが大事です。
キーワード3「芸術」
「芸術」については、西陣の職人工房のような体験型施設が観光客に与える京都の文化・芸術への理解の促進にについて調べました。様々な「体験活動」や「学習」ができる施設は、観光客のユニークな経験を高めるだけでなく、京都の「芸術」観光資源に一層の付加価値を与えます。
キーワード4「健康」
京都は昔からの自然が保護されており、貴船神社周辺のような自然豊かな場所や、大徳寺での「坐禅」体験に加えて、あぶり餅などの京都和菓子が体と心に与える健康を調べました。自然に身を置くことや座禅で精神統一を行うことは、日々時間に追われる都会人にとってリフレッシュに繋がるものとなり、京都の和菓子は体の健康に良い素材がたくさん使われていることから、心身どちらの健康面でも京都は恵まれています。
まとめ
大学周辺を調べただけでも、ポストコロナ時代の京都の観光資源は非常に多く、観光資源開発の潜在力もまだまだあります。また京都の文化観光が、長年脈々と発展し持続しているのは、【伝統文化・工芸品・食品や自然、神社仏閣】が一時的な観光資源となっているのでなく、それらを支える【人】が重要な役割を果たしていることを改めて認識しました。
今回、調査した「伝統」「自然」「芸術」等における京都特有の文化観光が今後も持続的に発展していくことを期待するとともに、私達もその発展に貢献するために何ができるかを模索していきたいです。
(文責:経済学部 2年次 森本 典、3年次 藤岡 雄大)
参加者の感想
<ゼミ生>
- 貴船神社の側を流れる貴船川では、「川床」と呼ばれる空間でおもてなしを受けることができ、神社参拝後に川床でくつろぐのは風流です。貴船までの道は狭いので、車の渋滞を生じさせないためには観光客に公共交通機関の利用を促す必要があると感じました。
- 趣向を凝らした時代祭りに子どもを含む幅広い年齢層が積極的に参加する姿が見られました。若い世代が積極的に参加することは伝統を次世代に継承していくことにつながると思います。
- モノを見るだけでなく、実際に体験することで思い出として深く残り、興味のあることをさらに深く知ることができるので満足度がとても高かったです。
- 京都はコロナ禍が最悪だった状況と比べて観光客が大幅に戻ってきました。清水寺や伏見稲荷神社などの有名な観光地は毎日多くの人で溢れていてとても賑わっています。コロナ禍前のような「オーバーツーリズム」の事態にならないようなルールづくりが必要だと思います。
<留学生>
- 貴船神社は入り口の鳥居がきれいで圧倒されました。鞍馬の火祭りは多くの観光客で予定通りの電車に乗れず、もっとたくさんの臨時バスの増便や係員の誘導などを行うべきだと感じました。
- 日本では英語を話す人が少ないが、英語案内や標識は海外からの観光客に配慮されていて、交通機関も一部のイベントの混雑以外はよく整備されています。駅のプラットフォームに電車のドアが開く位置でぴったりと停車するのが素晴らしいです。
- 観光について非常によく考えられている街だと感じました。地下鉄の駅は出口が多くて最初は戸惑うが、英語の標識がたくさんあり助かりました。
- Zoom坐禅会後の一日は五感を活発に目覚めさせながらスタートできると感じました。これはお寺が外の世界とつながるための素晴らしい場所であり、特にポストコロナ時代に求められているセルフ・ケアのニーズに合っているので今後も続いてほしいです。


