【経営学部】篠原 健一教授がゼネラルモーターズ(GM)の試みの失敗を明らかにする新書を出版しました

2022.07.12

2022年5月に、経営学部 篠原健一教授が執筆した『Work Organizational Reforms and Employment Relations in the Automotive Industry ~American Employment Relations in Transition~』(Routledge)が出版されました。

著書紹介

ゼネラルモーターズ(GM)が、有名なトヨタ生産方式を自社の自動車生産工場に適応させようとした試みは、歴史的にみて期待はずれの結果を生んできました。なぜ、十分に成功しなかったのでしょうか。本書は、生産システムの効率性に関わる作業組織改革と労使関係の分析を通じて、GMの試みの失敗を明らかにすることを目的としています。
本書は、自動車メーカーと全米自動車労組(UAW)の団体交渉協約や仲裁裁定を振り返り、生産労働者による継続的な改善活動が企業における業績管理の強化に重要な役割を果たすことを明らかにするものです。また、日本の自動車工場における能力主義的な雇用システムがパフォーマンスの成功に与える影響についても考察しています。GMが電気自動車の組立工場であるファクトリーゼロの操業を開始するにあたり、雇用関係と労働編成の両面から、このような生産が抱える課題についても分析しています。
《篠原教授のコメント》
この本は英語圏、ならびに世界中の読者を想定して書きました。しかしあえて日本の読者向けにこの本の特徴を語りますと、以下のようになるでしょうか。
日本では「働き方改革」をめぐり「日本型メンバーシップ型雇用からアメリカ型ジョブ型雇用」への移行が取り沙汰されます。他方、本書に見るように、アメリカでは日本型雇用をベンチマークにしたアメリカ型「働き方改革」が1980年代から続けられています。これを日本に生きる我々は、どう捉えればいいのでしょうか?
この本は英書になりますが、興味のある方は一度チャレンジしてみてください。

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