【外国語学部】ドイツ グライフスヴァルト大学に交換留学中の古閑 雪美さんから便りが届きました

2022.09.30

留学中間報告記

古閑 雪美(外国語学部ヨーロッパ言語学科ドイツ語専攻)

大学の校舎から見えるニコライ教会
私のお気に入りのニコライ教会です。一定の時間になると、教会の鐘の音が鳴り、その音を聞くと、とても穏やかな気持ちになります。

私は今ドイツ北部、メクレンブルク=フォーアポメルン州のバルト海沿岸に位置する大学都市にあるGreifswald(グライフスヴァルト)大学に留学しています。ドイツに来て勉強してみたいという思いを実現することができ、このようなチャンスをいただけたことへの感謝の気持ちと、とても嬉しい気持ちでいっぱいです。
毎日夢のような世界が目の前に広がっていて、ドイツに来て6ヵ月が経った今でも、ドイツで生活していることがなんだかまだ信じられませんが、どこへ行っても周りからドイツ語が聞こえてくる環境を楽しみながら生活しています。

私が今住んでいるGreifswaldは、とても素敵な町です。Greifswaldに来てすぐの頃は、暗い時間帯のあまりの静かさに、少し寂しくなりましたが、今ではその静かさと、とっても穏やかなところが気に入っています。授業で大変なことがあっても、町を少し歩けば、きれいな鳥の声が聞こえてきて、心がホッとして、また明日も頑張れそうだなと思えます。バルト海を眺めることができるのもGreifswaldの魅力です。私は、バルト海で泳いでみたいと思っていたので、夏の暑い日に、自転車で浜辺に行き、海に入ってバルト海を満喫しました。浜辺からの景色も本当にきれいで、心配ごとはすべて吹き飛びました。海の近くで食べることができるFischbrötchen(魚パン)も絶品です。また、Greifswaldは町が小さい分、人と人とが親密な関係を築いているように思います。Greifswaldに住んでいる人は、年齢や国籍関係なく、ともにGreifswaldで生活している仲間を大切に過ごしているんだなと感じます。私もその仲間に入れていることへの喜びをかみしめながら、毎日過ごしています。

ニコライ教会の塔の上から見たグライフスヴァルト大学
塔の上から見るGreifswaldは、またいつもとは違った美しさがありました。素敵な町に留学することができて本当に嬉しいなぁと心から思いました。

勢いよく日本を出発した時の私は、ドイツ語を使って生活するのが楽しみだ!とワクワクした気持ちでいっぱいでした。しかし、ドイツに到着したその日に、ドイツ人の話すスピードの速さに圧倒され、一年間もここでやっていけるんだろうかと早速不安になり、少し落ちこみました。また、生活面や留学中の事務的な手続きなど、まだ上手くドイツ語を話すことができないのに自分でやり遂げることができるかと心配な気持ちが大きくなり、頭の中はそのことでいっぱいになりました。料理も大してできないし、自分にはいったい何ができるんだろうと本当に思い悩んだことを思い出します。でも、時間が経つにつれて、ドイツの空気に体が慣れてきたのでしょうか、ちょっとずつではありますが友達ができ、Greifswaldのいいところを見つけられたことで、心も落ち着いていき、このGreifswaldで1年間頑張ろうと決心できました。

Sommersemesterの初めの頃は、息を止めるほど集中して話を聞かないと理解できないくらい授業内容が難しく、他のクラスメートはとても流暢にドイツ語を話すので、自分はこのクラスの中で一番話せないし、一番できていないんじゃないかと感じ、本当に、15週間、この授業を乗り越えることができるのかとすごく不安を感じました。授業期間の真ん中あたりから、授業がどのように進められていくのか、授業で扱う問題でもどこがポイントになってくるのかが分かってきて、落ち着いて授業に参加することができるようになりました。しかし、今度はどんどん迫ってくる試験への恐怖でいっぱいになり、試験がぼろぼろに終わったらどうしようと思い本当に怖かったです。
そのような中でも、少しでもその不安を軽くするために、するべきことはしないといけないと思い、授業で読んだテキストをもう一度家に帰って読み直し、自分の理解が正しかったのかどうかを見極めていくようにしました。家で落ち着いて復習することで、自分が思っているよりもよく理解できているということを発見できたり、反対にこの部分はできていないから次はここを意識して問題を解こうと対策を決めることができました。また、クラスの友達に、試験がすっごく不安なんだということを打ち明けてみると、私一人だけが不安に思っているわけではなくて、意外にもみんながその不安を抱えている事が分かりました。みんな同じような思いの中で頑張っているから、私ももっと頑張ろうと思うことができました。
試験の前日、特にmündliche Prüfung(口頭試験)の前日は本当に緊張しすぎて、眠れないほどでしたが、ぎりぎりまでクラスの友達とチャットでお互いを励まし合い、心を落ち着かせ、試験に挑みました。試験中は、もうやるしかないという精神になって、なんとか合格するぞという気持ちで頑張りました。
そして、試験の結果は、無事に合格することができました。このドイツという地で、まずはひとつ成果を出すことができて、本当に嬉しかったです。不安と戦いながらも、自分自身と向き合い、このSommersemesterを頑張り抜くことができて、自分もここまでできるんだと、より自信を持つことができました。

Sommersemesterが終了した今、今までのドイツ生活を振り返ってみると、様々な局面を乗り越え、頑張ることができましたが、一方で、自分自身のことや、自分の意見をしっかりと発信できなかったなと感じています。ドイツ語をみんなのように上手く話すことができないから、話すのが怖くなって、ちょっとだけ話して終わったり、自分の意見はあるのに上手く言葉にできず、黙ってしまったりと、まだまだ積極的に頑張れなかったところがありました。Wintersemesterでは、ドイツ語の環境を大切に、私がどういう人間なのか、何を考えているかをドイツ語でしっかり伝えていこうと思います。たくさん話すことで自信をつけ、憧れのドイツ語を自分のものにしたいです。これが今の私の一番の目標です。

留学生活は、辛いときもありますが、自分と向き合う日々がとても楽しいです。また、ちょっとしたことで、寂しく悲しい気持ちになることもありますが、そんな自分と向き合うことで、自分でも今まで知らなかった新しい自分と出会うことができます。これから、残り半分、ドイツで過ごせる日々を大切に、また新しい自分と出会えるように頑張っていきます。

ドイツに来てすぐの頃、留学生と現地の学生が交流するStammtischに参加し、日本では絶対にしないような斬新なゲームなどをしました。初めて知り合う人と自分との共通点を見つけて埋めていくビンゴゲームや、二人で協力して、細いパスタと中が空洞のパスタをひとつにするゲーム(使えるのは口のみ)、ティーバッグの持ち手の部分を口にくわえ、手を使わずにそれをどれだけ遠くに飛ばせるかを競うゲームなどです。あまりにも斬新すぎて、こんな遊びをするの?と驚きの連続でしたが、すごく楽しかったです。また、みんなビール片手に交流していて、「これがドイツか」とドイツの文化を直に感じた瞬間でした。
Greifswaldで出会った大切な友達
Greifswaldに留学をして、本当に素敵な友達と出会うことができました。楽しい話をしてよく笑い、ときには留学の相談もしたりして、濃い時間を過ごしています。


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古閑 雪美さんのインタビュー記事

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