【国際関係学部】国際キャリア開発リサーチCでマレーシア科学大学の学生と共にオンラインフィールド実習を行いました!
2022.09.26
2022年9月9日(金)、三田貴教授担当の「国際キャリア開発リサーチC<2>マレーシア・ペナン・オンライン実習」では、マレーシアとオンラインで繋ぎ、マレーシア科学大学の学生と共にマングローブツアーに参加したり、宗教や移民・難民をテーマにしたグループワークやディスカッションを行いました。
(学生ライター 国際関係学部4年次 板坂 梨央)
国際関係学部では「国際キャリア開発リサーチC<2>マレーシア・ペナン・オンライン実習」という8月に4日間、9月に5日間、マレーシアと日本をオンラインで繋いでオンラインフィールド実習を行う実践科目が開講されています。

9月9日に実施されたプログラムでは、午前中にオンラインマングローブツアーがzoomを用いてリアルタイムに行われました。学生たちは「PIFWA」(ペナン沿岸漁民福利協会:ペナン州でマングローブ保護のため植林を行う団体)の代表であるイリアスさんに、実際にボートに乗って説明していただきながら、約1時間の実習を行いました。
イリアスさんは、川の汚染状況の改善に伴って、生息する魚やエビが増加し、現在、休日には約200人の方が川を訪れ、漁や余暇の釣りを楽しんでいると説明されました。
また、「PIFWANITA」(食品の加工や販売を行うペナン州の漁村の女性グループ)がジュースやジャムを作っている原材料であるマングローブの実も見ることができました。その場でなっている実をもいで、「りんごに近い味だが、少し酸っぱい味がする」と、画面越しでは伝わらない味覚に関する情報も教えていただき、そこに画面があることを忘れさせるような充実したプログラムでした。


午後からのプログラムでは、まず、実習に参加している京都産業大学の学生とマレーシア科学大学の学生が課題として作成してきた動画やパワーポイントを用いて、宗教や移民に関するテーマでプレゼンテーションを行いました。本学の学生は、日本の宗教や年中行事、移民・難民の受け入れなどに関することを紹介しました。
特に日本固有のお盆や七五三、成人式、神社の巫女などといったテーマに関するプレゼンテーションでは、マレーシア科学大学の学生が強い関心を示し、「成人式ではどのようなことを行うのか」「巫女になるための資格はあるのか」など多くの質問が寄せられました。

次に、マレーシア科学大学の学生と4つのグループに分かれて「あなたにとって生きるために宗教は重要か」「宗教的な理由で対立が起きるのはなぜか」「あなたの国で移民・難民を受け入れるべきか」「移民は国民と同等の権利を持つ資格があるべきだと思うか」の4つのトピックについて互いに意見を交換し、ディスカッションを行いました。
日本には無宗教の方や、信仰心が薄い方が多いため、マレーシア科学大学の学生からは「宗教以外に何があなたを導いているのか」「善悪の判断は何を基準にしているのか」などといった質問が出ました。また、「宗教的な理由で対立が起きるのはなぜか」というトピックではマレーシア、日本双方の学生から「異なる宗教の人々が互いに理解をすることが難しいため」「宗教間の理解の欠如」という意見が出されました。地球に住む人々の間には国籍や言語、宗教や価値観といった相違点や壁が多くありますが、同時に共通する考えも存在するということに改めて気づくことができた貴重な時間となりました。
参加学生からは「文化や宗教に関する偏見や先入観、誤解が存在するが、メディアを活用することでそれらを無くし世界を変えることができるのではないか」「学校で異なる宗教について学ぶ機会を増やし、日本の教育を変えることで多文化社会が実現できるのではないか」といった未来に向けた提言が多くなされ、本学の学生が活躍する未来が待ち遠しく感じました。
