国際関係学部 植原ゼミでウクライナ侵攻に関して京都とルーマニア・ドイツを繋いで「世界オンライン会議」を実施しました!

2022.04.28

4月19日(火)、国際関係学部の植原ゼミは、「世界オンライン会議」を実施しました。今回の世界オンライン会議のテーマは、“ウクライナ侵攻に伴うビジネス影響:ルーマニア&ドイツ”で、本学とルーマニア&ドイツをオンラインで繋ぎ、ウクライナ侵攻による影響をビジネスの観点から問題の現状把握と議論を行いました。

世界オンライン会議を開始するにあたって、2月24日より始まったウクライナ侵略に伴う多くの犠牲者に哀悼の意をこめて、全員で黙とうを実施しました。

参加者全員で黙とうを実施

初めに、ルーマニアのジェトロブカレスト西澤所長より、現在のルーマニアの状況や、国際ビジネス(貿易)の現状についてのお話をいただきました。講演のなかで「自由貿易がどうあるべきか?」という疑問を西澤所長が持たれていることが印象的でした。各国が貿易の自由化を推進してきたことで、経済の相互依存関係はより強固なものになる一方で、ウクライナ侵攻に関するロシアへの経済制裁では影響が各国にも出ています。多くの国がロシアの豊富な資源に依存しており、ロシアはエネルギー・経済を人質に外交を展開しています。しかし、各国は経済では無く、市民の命や人道を優先しなければならないのではないかとの問題提起には考えさせられました。

次に、ドイツのジェトロデュッセルドルフ作山所員より、ドイツの概況とウクライナ情勢による影響についてお話をいただきました。ドイツは、EU加盟国の中でも経済的・政治的に重要な役割を果たしており、EUにおける重要なアクターの一つです。また、欧州進出日系企業数は約1900社と、イギリスの約二倍となっています。日本にとっても重要なドイツは、対ロシア新規投資や既存ビジネスの停止、ロシアでの生産停止や輸出の停止などの経済制裁を行っています。一方で、ドイツは国内で使用される大部分の資源エネルギーを国外に依存しています。特に、ロシアへの依存度は非常に高く、エネルギー安全保障に関わる大きな問題となっています。

最後に、ドイツのジェトロベルリン小菅所員より、ウクライナ侵略によるドイツ国内への具体的な影響についてお話をいただきました。航空会社はロシア上空を飛行することができなくなり、物流の混乱が発生しています。2020年から続く新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響もあり、商品や資材の運搬に大きな影響が現在においても大きな問題となっています。

ルーマニアの現状を聞く
ドイツの現状を聞く

各講演後、ゼミ生から積極的に質問がありました。
「人道を犠牲にして、経済を優先していいのか。今の経済成長を目指す社会は、正しいのか。どこかでターニングポイントが必要ではないか?」
「ドイツは、ウクライナからの穀物の輸入割合が非常に高いが、サプライチェーンの見直し・変更は、具体的にどのように行っていくのか?」
「ドイツが果たすべき平和への取り組みは?」
他にも多くの質疑応答があり、充実した議論を行うことができました。

集まった募金
京都市に募金を預ける

本学が所在する京都市は、ウクライナの首都キーウと1971年に姉妹都市となっています。世界オンライン会議終了後、植原ゼミにて募金を行い、4月25日(月)に、ゼミ生3人が京都市総合企画局国際交流・共生推進室を訪問し、募金を託してきました。ロシアによるウクライナ侵攻により、多くの命が犠牲となっています。ウクライナへの支援を一丸となって行うことが必要だと考えます。一刻も早くウクライナに平和が訪れることを心より祈っております。日本で学ぶ私たちにできることは、限定的かもしれませんが、正しい情報を入手し、平和はどのように維持していくべきなのかを考えるべきと思います。国際社会は、政治だけではなく経済や貿易など、様々なレベルで複雑に絡み合っています。今回は国際ビジネスという視点からウクライナ情勢を考えましたが、政治・経済・共生といった様々な視点から考えることも重要です。

(国際関係学部 3年次生 越智 慎之助)

国際関係学部の授業では、外交、ビジネス、国際協力の現場で活躍する実務家を招き、世界の最前線の知識や実情を学びます。
他にもさまざまなゲストスピーカーによる講演会を開催しています!

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