国際関係学部「国際社会と開発Ⅱ」でキューバの生活者の生の声を聞く授業が行われました!

2022.01.12

1月6日(木)、三田貴教授ご担当の「国際社会と開発Ⅱ」では、学生から出されたキューバに関する質問に対し、キューバに住むラファエルさん(仮名)に答えてもらうことで、キューバの課題を学ぶ授業が行われました。
(学生ライター 国際関係学部3年次 板坂梨央)
街中を行き交う人々(撮影:三田貴 2018年)
はじめに、三田教授が2018年に現地を訪れた時の様子や、現在のキューバの情勢について解説がありました。キューバはカリブ海に浮かぶ島国の1つで、現在でも社会主義を実践している珍しい国です。コロナウイルスの感染拡大に伴って、食糧や薬の不足等の問題の発生や、昨年発生した大規模な反政府デモとそれに対する弾圧などの影響で、現在のキューバ国内は不安定な状態であると説明されました。

今回は、事前に学生から集めたキューバに関する15の質問に、キューバ在住のラファエルさん(仮名)に回答していただきました。
キューバはインターネット環境が悪く通信費が高額なため、一般の人が気軽にインターネットを長時間使用することが困難です。そのためラファエルさんは直接の出演はせず、ラファエルさんから送ってもらった原稿を三田教授が読み上げる形式で授業が行われました。

コロナ禍の生活やデモなどキューバの今に迫る質問や、社会主義体制やアメリカとの関係性、日本の印象などに関する質問に回答していただきました。モノの入手など生活上の困難さや、自由への希求といった問題が赤裸々に語られました。その中で私が特に印象に残っているのは、「キューバの素敵なところは人々が助け合いの精神を持っており、常に前進する方法を模索しているところだ」と仰っていたところです。モノではなく人が持つ本来の力の大切さを感じさせられるものでした。地震が多い日本では、災害発生時の支援や復興プロセスにおいて助け合いが必要不可欠であるため、このキューバ人の精神は日本人にも必要なものであるのではないかとあらためて感じました。

最後に、三田教授が現地訪問後に執筆された報告書や、現地で購入された製品の紹介をしてくださいました。外国との貿易が制限されている状況下で、人々がモノを長く大切に使おうとすることや、キューバで手に入るものから工夫して新しい物を生み出すといった、モノに向き合う態度や扱い方からもたくさん学ぶことがあり、私自身の生活や消費行動を見直していきたいと感じました。不安定な社会状勢が続くキューバの一般の人の生の声を聞ける大変貴重な機会であり、さらに深くキューバについて知りたいと強く感じた授業でした。また、ラファエルさんは、学生からの質問を受けて「日本の学生さんが、こんなにキューバのことを気にしてくれていてすごく嬉しい」と仰っており、学生の関心や意欲的に学ぶ姿勢に大変喜んでいらっしゃいました。履修学生は、次週の授業で未来学(futures studies)の手法を用いた問題分析を行い、キューバの人々の生活上の課題を解決・改善するための方法を検討します。
観光客向けの土産品を並べる人々(撮影:三田貴 2018年)
ハバナの書店(撮影:三田貴 2018年)
PAGE TOP