国際関係学部インディペンデント・リサーチ履修生がワークショップ「学校生活における『多様性の尊重』について考えてみましょう!」を開催

2021.12.20

インディペンデント・リサーチにて、3年次生の大塚初音さんが「学校生活における『多様性の尊重』を考える」ワークショップをオンラインにて開催し、他大学合わせて計14名の学生が参加しました。

(学生ライター 国際関係学部3年次 山崎 夏摘)

ワークショップのタイトル

このワークショップでは、教育の場である学校ですら、生徒の個性を容認してないにも関わらず授業では生徒に「個性を尊重しましょう」と述べているのは矛盾しているのではないかという疑問から、多様性が認められるには何を改善すべきなのか、参加者の学校生活を振り返りながら経験談やアイデアを共有しました。

Zoomのブレイクアウトルーム機能でグループに分かれ、4つのテーマ「個人に関する学校のルールで不満に思った経験」「学校の環境・制度で不満に思った経験」「教師による接し方や態度によって嫌な思いをした経験」「理想的な学校環境」に沿ってディスカッションする形式がとられました。各グループでは、Stormboard(オンライン付箋ワークツール)を用いながら、ファシリテーターを中心にグループで活発に意見交流をしました。

参加者の体験談からは、女子は肩より長い髪の毛はくくり、男子はツーブロック禁止などの頭髪チェックによる髪型の指定に関する話題が多く上がりました。実際に今この記事を読んでくださっている人の中にも、学生時代に同じような体験をしたことのある人は多いのではないでしょうか。髪型、化粧、服装などの見た目に対する規制が多かったように感じます。そして、理想的な学校環境としては、自らが考え、選択・行動できるカリキュラムの推進や、正解が決められた授業ばかりではなくディベート方式の授業を多く取り入れること、またLGBTQや宗教・民族など生徒の多様性への受容と配慮や、「普通」を規定しない教育方針などが上がりました。

交流後に集合写真を撮る様子

ワークショップを経て、言葉だけではなく個性の尊重が適切に実現されている場や、違うバックグラウンドを持つ人を認め合う場は私の過去にも極めて少なかったと感じました。そして多様性を考えていく上で、「普通」とは一体何なのかと考えさせられました。「普通」を規定するということは「普通」から溢れ出てしまう人間がいること、一方で、その溢れてしまった人間に対する多様性の尊重は、自分が正しいと信じている多様性という価値観の押し付けに繋がってしまうという、なんとも複雑で難しい問題に直面しました。とても有意義な時間が過ごせたことを実感しています。

担当教員である三田先生からは、学校現場の教員がどの程度「世界人権宣言」「憲法」「学校教育法」について理解ができているのか疑問であることや、学生自身も再度批判的に自分たちが経験してきた状況を見直す必要があることが指摘され、日本社会の根本に潜む歪な部分をこれから未来を担っていく学生が正すこと、そしてそれが学生自身のエンパワーメントに繋がるとコメントがありました。

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